2011年01月22日

国民健康保険の保険料が1.8倍になる!という報道に腰を抜かした件

先日の赤旗に「低所得者に国保料増 計算方式全国一本化 負担1.8倍も」という記事が掲載されました(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-01-20/2011012001_01_1.html)。

赤旗の報道を要約すると、

国民健康保険の保険料を計算するやり方として「住民税方式」と「旧ただし書き方式」の2つがあるらしい。そして、住民税方式に比べると旧ただし書き方式は保険料が高くなる傾向にある。民主党政権は全国的に旧ただし書き方式に統一する方針を決定した。これによって、特に低所得者は保険料がアップする。最大1.8倍も保険料が高くなることがある。けしからん。

本当だったら大変なことですよね。人ごとではないぞ! 私もびっくりして、どういうことか調べてみました。

ネットで検索してみると国民健康保険について詳しいサイトがすぐに見つかりました(http://sky-tree.net/ins/calc.htm)。その情報によると、全国でたくさんの自治体がありますが、その98%が旧ただし書き方式を用いている。住民税方式を採用しているのは、東京23区や横浜市、名古屋市、神戸市などごく一部

東京都の場合、東京23区の他、武蔵野市だけが住民税方式を用いていて、後はすべて旧ただし書き方式のようです。その中の東京23区も元々今年4月から旧ただし書き方式に移行することが決まっていたらしい。なぜ旧ただし書き方式に移行するかは、こちらのサイトに理由が詳しく述べられています(http://www.tokyo23city-kuchokai.jp/katsudo/kokuho_iko.html

要するに「低所得者に国保料増」という構図が当てはまるのは、全国でも一部の自治体に限られるということですね。まあ、住民税方式を採用しているのは大都市が多いので、人口で考えると割合は少し高くなるかもしれません。それにしても「低所得者に国保料増」という見出しはちょっと大げさかな。私のブログも見出しと内容が一致していないことがあるので、あまり人のことを言えませんが…。

国民健康保険の保険料は、自治体ごとに計算方法が異なっています。どこに住んでいるかで保険料が大きく違ってくる。だから、住民票を移すだけで保険料が安くなるといったテクニックもあったりするわけです。他にも国民健康保険についてはさまざまな裏ワザがあって、公平な負担という点からは問題があるなあと以前から思っていました。計算方式を統一するという方向はけっして間違っているとは思いません。ただ、低所得者が払えないような水準になるのも問題なので、この機会に議論が高まることを期待します。



2011年01月21日

ネット系の保険が安いという思い込みは捨てよう。大手にも実はいい保険がいっぱいある

同じ保障を得る場合、大手の保険会社よりも通販やネット系の方が保険料が安い。私もファイナンシャルプランナーになるまではそう単純に思い込んでいましたが、実際にいろんな会社の保険を見ていくと、通販やネット系だからと常に保険料が安いわけではありません。たとえば、こういう事例があります。

人気のフラット35は別途団信に加入が必要

先日、フラット35を利用して住宅を購入することを検討中のお客さまがいらっしゃいまして、返済のシミュレーションを行いました。民間の住宅ローンは原則として支払利息の中に「団体信用生命保険(団信)」の保険料が含まれているのですが、フラット35は団信がオプションになっています。団信に入っておけば、ローン契約者が病気や事故で亡くなったときに団信の保険金でローンが清算されます。要するに遺族は残りのローンを支払うことなく、購入した住宅に住み続けることができるわけです。

フラット35は団信がオプションなので、団信に入ってもいいし、民間の保険に入ってもかまいません。ここで問題になるのがどっちを選んだ方がいいのか? 実は団信の保険料はかなり高いのです。保険料の試算はこちらのサイトでできます(http://www.jhf.go.jp/simulation_danshin/)。

かりに「借入金額:2500万円、返済期間:30年、借入金利:3.0%」という条件で借り入れたとします。毎月のローン返済額は10万5400円。これに加えて団信保険料として初年度は年89,500円を支払わなければなりません。2年目以降、ローン残高が減ると保険料も減っていきますが、30年では156万6000円もの保険料を支払うことになります。

団信の代わりに収入保障保険を使う

一方、民間の保険ではどうなのか。候補となるのが「収入保障保険」です。ローン契約者が亡くなった後、遺族が年金のように毎月一定額を受け取れるという保険です。

たとえば、損保ジャパンひまわり生命に「家族のお守り」という保険があります(http://www.himawari-life.com/examine/procedure/incoming/omamori_family_m/)。「契約者:35歳 男性、保険期間:65歳まで、保険金額:月20万円」の条件で試算すると、毎月の保険料は9960円です。この金額を払っておけば、契約者がなくなった場合、遺族は月20万円を受け取ることができます(契約者が65歳を迎えたはずの年まで)。この20万円のうち、ローン返済に月10万5400円をあてれば、残りの9万4600円を遺族の生活費として使えます。

さらに保険料は5年ごとに5%ずつ下がっていきますし(最後の5年は加入時の50%)、健康体割引(タバコを吸わず、BMIが18から27の範囲内)が適用されればスタート時の保険料は月6940円です。かりに健康体の契約者が無事に65歳をむかえた場合、支払う保険料の総額は30年で約175万円です。団信保険料の総額が156万6000円ですから、わずかなプラスで遺族の生活費まで保障されるわけです。

さて、ネット系で同じような保険があるかどうか。ライフネット生命保険(http://www.lifenet-seimei.co.jp/)は収入保障保険を扱っていないので、定期保険を使うことになります。同じく35歳男性が契約するとして、「保険金額:3500万、保険期間:10年」として計算すると月額保険料は5549円。確かに保険料は安いですが、保険金額3500万円からローン残高を引いた額が1000万円をちょっと超えるくらい。小さな子どもがいる家庭ではちょっと足りないかもしれません。

ネクスティア生命保険には収入保障保険がありました。「カチッと収入保障」です(http://www.nextialife.co.jp/insurance/life/syunyu/)。しかし、同じく契約者が35歳男性の場合、保険期間を65歳までとると毎月の保障額は14万円が上限になります。ローン返済額が月10万5400円なので、遺族の生活費に充てられるのは3万4600円だけ。これでは生活の保障という点では不十分です。

ちなみに毎月の保険料は6042円でした。ひまわり生命で月保障額を15万円に設定すると、健康体割引が適用されたときは5355円(通常は7620円)。また、ひまわり生命は保険料が少しずつ下がっていく点でも有利です。

まだ私も保険の勉強を始めたばかりで、実はもっといいプランがあるかもしれません。しかし、ご依頼をいただければ全力でサポートいたします。保険や住宅ローンなどで分からないことがあればぜひご相談ください(たまには宣伝もしてみよう)。

(※)保険料の数字は、いずれも2011年1月21日に各社のサイトで試算したものです。その後、保険料が改定されていることもありますし、条件によっては保険料が違ってくることがあります。



2011年01月20日

無料の保険見直しサービスがなぜ成立するのか? 保険料の半分が手数料という話も

ネットで調べてみると「無料で保険診断」みたいなサービスがいっぱい見つかります。一方、独立系のファイナンシャルプランナーに相談すると、安くても数千円の費用がかかります。当然のことながら、無料のほうに頼みたくなりますよね。私もそうでした。

しかし、無料サービスはなぜ無料で成り立っているのか。人間は誰しもカスミを食って生きていくことはできないので、どこかで利益を上げないといけないわけです。私は無料サービスの中の人ではないので、あくまで想像ですが、保険会社から支払われる手数料が無料サービスの収益源になっているのでしょう。

無料の看板で顧客を集め、契約を成立させることで手数料を得る。こういう構図がある限り、診断結果として「見直しは必要ありません」「保険自体に入る必要がありません」という答えは出にくくなります。自分を相談員の立場において見れば分かります。収入を増やすには、顧客の現在の保険を解約させ、新しい保険を押し付けるのがもっとも効率的です。しかも不安感をあおって、複数の保険に加入させることができれば最高です。

先日、ネットサーフィンしていたら、こんなページを見つけてしまいました(http://www.seihokakuzuke.com/gaikouin.htm)。保険募集人のコミッション率らしいです。保険料払い込み期間が10年間であれば、初年度の保険料の50%が手数料として支払われるとのこと。年間10万円の保険料であれば5万円の手数料です。さらに2年目以降も率は下がりますが手数料が発生しています。もしこれが本当だとしたら、けっこうな手数料収入がありますね。無料で相談を受け付けても十分に収益を上げられそうです。

無料の保険診断をすべて否定するつもりはありませんが、なぜ無料でできるのかを分かった上でサービスを利用したいものです。いくつもの保険会社の商品を扱っていて、「中立的な立場から最適な保険をおすすめします」みたいな看板をかかげていても、実は最初から売り込みたい保険(要するに手数料が高い保険)が決まっているかもしれません。



2011年01月19日

生命保険の保険料には、実はこんなにたくさんの手数料が含まれていた

昨日は「貯蓄に保険を活用するにはいくつかリスクがある」と紹介しました(http://moneylab.ldblog.jp/archives/51588884.html)。合わせて見ていただきたいのが、保険の手数料の高さです。

2008年11月、ライフネット生命保険という会社が「付加保険料率」を公開したことが話題を呼びました。付加保険料率とは保険会社の経費のこと。この経費をのぞいた部分(純保険料)が契約者への支払いに回されます。つまり、付加保険料率が分かれば、保険の原価も分かるということです。今までこの数字が公表されることはありませんでした。

ライフネット生命が公開した数字はこちらのページ(http://www.lifenet-seimei.co.jp/deguchi_watch/2008/11/post_23.html)をごらんください。わざわざ数字を公開したということは、付加保険料率の低さ(つまり経費が少ない)に自信があるということです。しかし、それでも「30歳男性・保険期間10年・保険金額1,000万円」の付加保険料率は33%。要するに支払った保険料の3分の1は経費に消えてしまうということです。特に若い人や女性の経費の率が高くなっています。

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ライフネット生命は保険料が比較的低く設定されています。ということは他の大手保険会社はもっと付加保険料率が高いということになります。保険料を算出する基礎として、各年齢ごとの生存率や死亡率を一覧にした「生命表」があります。純保険料はこの生命表によって弾き出されるので、どの保険会社でもほぼ同じ。同じ条件の保険であれば、付加保険料(経費)の違いが保険料の差になっていると考えてほぼ間違いはないでしょう。ただし、大手保険会社の主力商品はすごく複雑な仕組みになっているため(アカウント型など)、掛け捨ての定期保険を主力とするライフネット生命と横並びで比較するのが困難です。

確かにひとつの商品で病気からケガ、介護、老後まですべてをカバーできるのは魅力的かもしれませんが、保険料の中にどれくらいの手数料が含まれているのか。そして、保険会社(および外交員)は手数料に見合ったサービスを提供してくれるのか。その保険会社と一生付き合っていくだけの価値があるのか。よく考えてみた方がいいかもしれません。こちらのページも合わせてごらんください(http://moneylab.ldblog.jp/archives/51587716.html)。

もちろん「高い手数料を払っても、それ以上の安心を得られる」という結論が出たのなら保険もいいでしょう。自分で判断が付かないときは、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのもひとつの方法です。病気でセカンドオピニオンを求めるように、外部のファイナンシャルプランナーの意見を聞いてみて損はないと思います。毎月何万円もの保険料を何十年にもわたって払い続けていくわけですから。



2011年01月18日

貯蓄に保険を活用する3つのリスク。貯蓄と保障は分けて考えるべき

田中香津奈さんの「晴れた日に傘を買うひとはお金が貯まる」という本を読みました。著者は保険に強いファイナンシャルプランナーということで、保険を活用して生活を設計する方法について解説されています。しかし、副題にあるように「リスクゼロで確実に増やす」と断言するのは間違いではないか。また、そもそも保険で老後資金を用意することには大きなリスクがあるのではないか。

「長割り終身」は本当にリスクゼロでお金を増やせるか?

「晴れた日に~」の中では、東京海上日動あんしん生命の「長割り終身」という終身保険を利用して老後に備えることを提案しています。「長割り終身」というのは、保険料を払い込んでいる間の解約返戻金を低くおさえることで、保険料を引き下げようというものです。

解約返戻金というのは、保険を途中で解約したときに保険会社が払い戻すお金のことです。終身保険などは貯蓄性を兼ね備えているため、解約したときはあらかじめ定められた割合のお金が戻ってきます。

「長割り終身」という商品の場合、30歳・男性が1,000万円の保険金額で60歳まで保険料を払い込む場合、月々の保険料は17,560円。終身保険なのでいつ死亡しても1,000万円を受け取れます。また、60歳以降に解約した場合は、払い込んだ保険料以上の解約返戻金が保証されています。60歳時点で解約したとすれば、払い込んだ保険料の総額は632万円ですが、解約返戻金として732万円を受け取れる計算です(http://www.tmn-anshin.co.jp/kojin/goods_shibou/nagawari/)。

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貯蓄に保険を使う3つのリスク

この商品のどこにリスクがあるのか?

まず、途中で解約をすると損をするところです。たとえば、「病気で働けなくなった」「会社が急に倒産した」といったトラブルがあってお金が必要になったとします。しかし、上の例では60歳までに長割り終身を解約すると、払い込んだお金よりも少ないお金しか戻ってきません。そうなると、「解約しないで消費者金融で借りてなんとかしよう」といった考えになる恐れがあります。20年、30年という長い期間に何が起こるかなんて分かりませんよね。また、途中で保険料が払えなくなったら、その時点で解約の扱いになってしまいます。「他でお金を借りて、長割り終身の保険料を払おう」みたいな話になったら目も当てられません。

もし60歳まで無事に保険料を払い続けることができたら、払った保険料よりも大きなお金が戻ってきます。上の例では保険料の115.8%の返戻金です。ところが、この払い戻し金を年利で考えてみると、実は1%に満たないのです。要するに1%未満の低金利で資金を数十年も固定してしまうということです。保険会社は「返戻金の他に配当金も出ますよ」と反論するかもしれませんが、配当金がどれくらい出るのかはまったく当てにはなりません。この商品には「1000万円の生命保険が付いている」という点を割り引いたとしても、もっと有利で確実な運用方法があるはずです。

そして、保険会社が破綻するリスクがあります。要するに保険会社がつぶれてしまうと、もらえるべきお金がもらえなくなる可能性があるということです。まったくお金が戻ってこないわけではなく、最初に約束されていた金額から大きく減ってしまうでしょう。実際に今までいくつもの保険会社が破綻してきました。実際に列挙すると、日産生命、東邦生命、第百生命、大正生命、千代田生命、協栄生命、東京生命、大和生命(これで全部かな?)。

リーマンショックのときは世界最大手のAIG(American International Group)まで経営危機におちいり、AIG系のアリコジャパンの保険を持っていた私は毎日がひやひやものでした。長割り終身と同様に当初の返戻金を低くおさえることで保険料を安くするという商品だったので、真剣に解約すべきかどうか悩みました。世界最大手の保険会社ですら破綻の危険があるわけですよ。そんな保険会社の商品をとりあげて「リスクゼロ」と呼ぶのは、ちょっと違和感をおぼえます。保険会社が破綻するとどうなるかは、こちらの記事をご覧ください(http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20080922/171317/)。

保険はあくまで万が一の事態に対する保障のために使うものであり、貯蓄を主目的として活用すべきではないと思います。いかがでしょうか? 「保険のプロ」のご意見をうかがいたいところです。

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2011年01月17日

30歳男性が平均余命まで1日1箱ずつタバコを吸い続けるとタバコ代はいくらになる?

私は5年くらい前にタバコをやめました。きっかけはセキが止まらなかったこと。思い切って禁煙すると、ノドが楽になっただけでなく、ゴハンはおいしいし、時間のロスはなくなるし、とにかくメリットがいっぱいです。何よりもうれしいのは、喫茶店やレストランに入るときに「ここはタバコが吸えるのか?」と悩まなくてすむようになったところです。

でも、なかなかタバコをやめられない人もいるので、説得の材料のひとつとして、「タバコをやめると経済的にどれくらいトクをするのか」を考えてみましょう。

というわけで問題です。
「30歳男性が平均余命まで生きるとして、1日1箱ずつタバコを吸い続けると、これから支払うべきタバコ代の総計はいくらになるでしょうか?」

この問題の答えを知るには、下にあるリンクからエクセルのファイルをダウンロードして開いてください。そして、「タバコ一箱の値段」「1日の本数」「現在の年齢」「性別」を入力すると、これから死ぬまでに払うことになるタバコ代を計算できます。スモーカーはぜひ自分の年齢や本数を入力して試算してみてください。

このリンクを右クリックしてエクセルのシートを保存してください(インターネットエクスプローラの場合、右クリックして「対象をファイルに保存」を選びます)。

先ほどの問題。30歳の男性が1日20本のペースでセブンスター(一箱440円)を吸い続ける場合、亡くなるまでのタバコ代は約809万円になります。さらに、タバコ代を積み立てて年利1%で運用できた場合、亡くなる時点では1,045万円の貯金ができている計算です。

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こちらは40歳女性が一日10本ずつ吸った場合の数字です。あまり本数が多くなくても、期間が長いので約379万円もの大きな額になります。もし年利1%で運用できれば約482万円です。

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現在から死ぬまでの期間は、厚生労働省が発表した簡易生命表に基づいています。たとえば、表で20歳のところを見ると、男は「60.04」という数字が入っています。この数字を「平均余命」と呼び、「20歳の男性はそれから平均で60.04年間生きられる」という期待値を表しています。

タバコとは数百万円(本数や年齢によっては一千万円以上)もの大きな金額を煙として燃やしてしまう存在です。もちろん経済的な負担が大きいだけでなく、ガンや心疾患のリスクも高めるために医療費がかさむかもしれません。今すぐにでも禁煙に挑戦してみませんか。

 

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2011年01月16日

保険の最大の問題点は手数料に見合った仕事をしていないところ。本当のプロはこんな仕事をしている

昨日はFP・家計の応援隊(http://sukesan-kakeisan.jp/)が主催するセミナーに参加しました。講師の塩川さんは保険の代理店の方で、テーマは「ガン保険」です。

セミナーで面白かったのは、保険の話よりもガンの治療法について。塩川さんはとにかくガンの治療法についてお詳しいようで、「肺ガンなら内視鏡を使ったこんな治療法があって、どの病院のどの先生がいい。保険適用で治療費はいくらぐらい」「前立腺ガンならどういう治療法が有望で、どの病院で受けられる。こちらは保険外の自由診療でいくらくらいかかる」みたいな話が次々に出てきて、「本当にあなたは保険屋さん? 医療ジャーナリストじゃないの?」と思ったくらい。

終わった後に、塩川さんや主催者の人と少し話をしたのですが、他にも保険の代理店の方がいらっしゃって、とにかく病気については詳しいのです。やはりお客さんから相談を受けることが多いので、普段から医療事情については勉強を欠かさないとか。「これが保険のプロなんだ」とつくづく感心しました。

「こういう病気だと、これくらいの治療期間でこれくらいの費用がかかる。さらに仕事や日常生活にはこんな影響が出るので、治療費以外にもこれくらいの出費を見込んでおかなければならない」といった話で、具体的な数字が次々に出てきます。こうした知識をもとにして自分に最適な保険を設計してもらえるのであれば安心ですね。

保険屋さんには手数料の分だけ仕事をしてほしい

最近は保険料が安いネット保険が登場し、少しずつ人気が高まりつつあります。また、保険料だけに注目するなら共済の方が安いかもしれません。でも、自分に合った保険を自分で探せる人でないとネット保険や共済を使いこなすのは難しそうです。保険料は確かに節約できるかもしれませんが、「自分が入っている保険や共済だけで本当に大丈夫?」と不安を抱えながらすごすのは果たして正しい選択でしょうか。

実は私もネット保険や共済の方がいいんじゃないかと思っていました。以前にもブログで書きましたが、私がファイナンシャルプランナーになったきっかけは保険会社への不信感です(http://moneylab.ldblog.jp/archives/51565668.html)。正直なところ、大手保険会社は手数料ばかりが高く、ムダな保険を押しつけているんじゃないかと思っていました。

しかし、ファイナンシャルプランナーになって保険会社や代理店の方と話をする機会が増えるにしたがって考え方が変わりつつあります。問題なのは、多額の手数料を受け取っておきながら、それに見合った仕事をしていない保険屋が多すぎるところではないか。昨日のセミナー講師の塩川さんみたいに、「こんなリスクがあるからこんな保険がぴったり」と的確な提案ができたり、もし病気や事故にあったときは「どの病院でこういう治療を受けられる」みたいな情報を提供できるのであれば、少々高い保険料を払うのも納得できますよね。ネット保険は安いけれど、そこまでのサービスを求めることはできないでしょう。

おそらく保険屋さんの多くは、十分な知識を持っていないし、営業の手法にも問題があると言えそうです。また、ほとんどの保険会社は付加保険料(手数料など)の割合を公表せず、消費者に対する情報開示が十分とは言えません。こうした問題にはそれぞれ解決していく必要があるでしょう。しかし、保険料の高さだけを材料にして大手の保険会社を頭から拒否するのも問題だと思います。

保険のプロの仕事を見たいなら…

さて、家計の応援隊(http://sukesan-kakeisan.jp/)の次回のセミナーは、「損害保険」がテーマです。講師をつとめる岡部さんとは、昨年に開催されたFPフォーラム板橋2010でご一緒させていただきました。地域密着型で仕事をされている代理店であり、打ち合わせで事務所を訪れたときはお客さんが次々に遊びにくるといったアットホームな雰囲気です。きっとお客さんとの強い信頼関係の中で仕事をされているのでしょう。もちろん保険についての知識も豊富な方です。「保険のプロの話を聞いてみたい」と思われたらぜひご参加ください。

突然の「事故や火災」に備える損害保険
講師:岡部朱美(株式会社アドバンス
日時:2月13日(日曜日) 13時30分~14時30分
場所:足立区生涯学習センター
主催:FP・家計の応援隊