2012年06月16日

フリーランスなら白色申告から青色申告に切り替えるだけで、年数十万円も節税できる可能性がある

フリーランスが避けて通ることができない確定申告ですが、青色申告ではなく、白色申告で済ませている人が意外に多いようです。それ以前に青色申告の存在すら知らない人も少なくありません。そういう自分も独立した当初は青と白の違いをよく理解していなかったので偉そうなことは言えません。

青色申告にすると何が違うかと言えば、税金や国保保険料の負担がぜんぜん違ってきます。青色申告に切り替えると、65万円の「青色申告特別控除」を受けられます。要するに経費が65万円分多く計算できるということ。

経費が65万円多くなるとどれくらいのインパクトがあるのか。そこそこの稼ぎがあるフリーランスを例に考えてみると…。

所得税 13万円 課税所得が330~695万円の場合
住民税 6万5000円  
国保保険料 5万5000円 東京23区の場合
介護保険料 1万1000円 東京23区の場合(40歳以上のみ)
合計 25万円  

もし青色申告に切り替えて軽減分を貯蓄に回したとすれば、10年後には300万円近くもの貯蓄ができることになります(今後も国保保険料は上がり続けるでしょうから)。

所得がもっと多ければ、所得税の税率が高くなるので節税の幅も大きくなります。記帳の手間はちょっと増えるかもしれませんが、絶対に青色申告にした方がいい。たとえ税理士に報酬を支払っても十分におつりが来るはずです。



2012年05月29日

デルの超小型モバイルプロジェクター「Dell M110」を購入しました!

貸会議室でプロジェクターを借りると一回何千円もとられることがあります。これから定期的に勉強会やセミナーを開催していきたいと考えているので、思い切ってプロジェクターを購入しました。

いろんな候補の中から選んだのが「Dell M110」です(http://accessories.apj.dell.com/sna/productdetail.aspx?c=jp&cs=jpbsd1&l=ja&sku=210-36168)。片手に乗るほどのコンパクトサイズで、本体の重量はわずか360グラム! ACアダプタや専用バッグ、VGAケーブル、三脚(三脚のみ別途購入)をすべて合わせても970グラムです。これならパソコンといっしょにカバンに入れて持ち運んでも負担になりません。値段は4万1980円とプロジェクターの中ではおやすいほうだと思います。

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どれくらい小さいかは写真を見てください。手前にあるのは10.4型液晶を搭載したレッツノートR6です。ノートPCの中ではかなり小型の部類に属しますが、それと比べても十分に小さいですね。

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付属のACケーブル(ACアダプタとコンセントをつなぐ部分)は極太タイプなので、別売の細いACケーブルに替えるのがおすすめです。VGAケーブルは細くて使いやすいんですけどね。また、プロジェクター本体には角度を調整する機能がないので三脚は必須。本体が軽いのでデジカメ用の安価な三脚で十分です。

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コンパクトでも明るさは十分

Dell M110はLEDライトを使っていて、カタログによると輝度は300ルーメンです。従来の2キロ台の小型プロジェクターなら2000ルーメンを超えるのが当たり前になっているので、それに比べると明るさが十分なのか不安になります。でも、下の写真の通り、Dell M110も意外に明るい。

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写真を撮ったのは蛍光灯も点けた昼間なので、室内は一般的な会議室並みの明るさはあります。スクリーン代わりに使ったのは幅が110センチの模造紙でして、そこに投影した画面のサイズは幅80センチくらい。37~40型のテレビに相当する大きさです。何十人も集まるような会議室だと力不足ですが、10人程度の勉強会で使うなら十分なスペックだと思います(もちろんプロジェクターとスクリーンを離せばもっと大きく投影できますが、画面が暗くなるので明るい部屋ではちょっときつい)。

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従来のプロジェクターはランプ寿命が数千時間。しかも交換用のランプが何万円もすることがあり、買ってからもコストがかかるものでした。それに比べてDell M110はLEDライトの寿命が2万時間となっています。実際に使って見ないと分かりませんが、従来のプロジェクターよりもコストがかからず、故障も少ないのではないかと期待しています。

小型化が可能になったのは消費電力が少ないLEDを使ったためですが、それでもかなり熱くなるため、冷却ファンが搭載されています。使用中はずっとブーンという音が出続けます。従来のプロジェクターよりもファンが小型のためか、音は高めで耳ざわりに感じる方がいるかもしれません。本体サイズは小さくても、音はけっして小さくはありません。

一度だけ温度上昇の警告が出て、しばらく画面が映らなくなることがありました(部屋の温度は25~26度。数分の冷却で復帰)。真夏に冷房がない部屋で使うとどうなんだろう? それが唯一の不安材料です。

別売のワイヤレス接続アダプタを使える?

オプションのワイヤレス接続アダプタを購入すれば、パソコンとケーブルでつなぐことなく投影が可能になります。プロジェクターが無線LANの親機のようになって、パソコンからプロジェクターに無線LANで接続します。使い方はこちらのページを参照ください(http://ja.community.dell.com/techcenter/b/weblog/archive/2011/11/10/dell-m110.aspx)。

実際に使って見たところ、次のような制限がありました。そういうわけで現場では無線接続は使わずにケーブルでつなごうと思います。現場でバタバタするのもイヤですしね。

  • プロジェクターに接続した状態では、無線LAN経由でネット接続できない。たとえば、「ネットにアクセスする様子をプロジェクターで見せる」という使い方はできない。
  • パソコンの画面がそのまま投影される(ミラー)。パワーポイントには「パソコンの画面に発表者ツールを表示し、プロジェクターにスライドショーを表示する」という機能があるが、無線接続時にこの機能は使えない。
  • 普通に使う分にはスムーズに動くが、動画を表示させるとカクカクする。無線経由ではデータ送信が追いつかないのだろう。
  • ウィンドウズ7やVistaではエアロが無効になる。パワーポイントのスライドを投影するだけなら問題はないが…。
  • 接続が不安定になることも。他の無線LAN機器の影響を受けるのだろうか、接続が突然切断されてしまうことがある。

ワイヤレスが今ひとつだったのが残念ですが、それ以外はとても満足。さっそく次の勉強会からこのプロジェクターを活用してみようと思っています。

ちなみに価格.comのページを経由して購入すると、デルのサイトから直接買うよりも1000円安く買えます(http://kakaku.com/item/K0000357477/)。それと注文してから届くまで1週間以上待たされるのでご注意ください。

このプロジェクターを使って6月10日(日曜日)に東京・池袋で勉強会をやります。テーマは「フリーランスの貯蓄と資産運用」。詳しくはこちらをご覧ください(http://kokucheese.com/event/index/37504/http://moneylab.ldblog.jp/archives/51825070.html)。



2012年05月28日

フリーランスは老後の積み立てを一日でも早く始めた方がいい

フリーランスであれば「老後の生活」について少なからず不安があるはず。国民年金だけだと65歳以降に受け取れるのは月6万6000円程度。これだけで生活ができるはずもない。これを補う制度の一つとして「国民年金基金」があります(http://www.npfa.or.jp/)。60歳まで掛金を支払い続けると65歳以降に受け取れる年金の額が増えるというものです。

掛金は全額が所得控除の対象となるので所得税や住民税が軽減されます。税金が安くなった分だけ掛金が少なくてすんだと考えれば、民間の金融商品で積み立てるよりもよっぽどおトクです(http://moneylab.ldblog.jp/archives/51825337.html)。

掛金の額はこちらのページにあります(http://www.npfa.or.jp/about/kakekin/)。老後にいくら受け取れるかは加入した口数によって違ってくるのですが、同じ1口であっても加入時の年齢によって掛金が違ってきます。年金を月3万円上積みしようとした場合、30歳で加入したら月1万3980円の掛金ですむのですが、40歳だと月2万3070円と1万円も掛金が高くなります。もし50歳から始めるなら月5万730円とちょっと非現実的な数字になってきます。

なるべく早くに加入した方が毎月の負担は小さくてすむし、フリーランスだと後になるほど収入が上がるというわけでもない。口数は後から増減できるので、無理のない範囲で始めることをおすすめします。私が独立してフリーランスになったのが30歳のときですが、私が国民年金基金に入ったのは35歳のとき。「もっと早くにこの制度を知っていればなあ」と思います。

加入したい方はこちらのページから申込書を取り寄せてください(http://www.npfa.or.jp/about/inq/)。厚生年金に加入している会社員は入れませんので、念のため。

なお、「国民年金基金はインフレに弱い」という弱点があるので、それを補うために「確定拠出年金」も同時に加入すると安心です(http://moneylab.ldblog.jp/archives/51825628.html)。

フリーランスが貯蓄を殖やしたり、老後に備えた積み立てを行う方法は、6月10日の勉強会(東京・池袋で開催)でも解説します。勉強会についてはこちらをご覧ください(http://kokucheese.com/event/index/37504/http://moneylab.ldblog.jp/archives/51825070.html)。



2012年05月17日

エクセルで年金保険の利回りを一発で計算する方法

「40歳から20年間、毎月3万8000円ずつ払い続けると、60歳時点で1000万円の一時金を受け取れる」という金融商品があるとします。この商品の利回りをエクセルで計算するには、RATE関数を使うと一発で計算できます。

=RATE(20*12,-38000,0,10000000)*12

答えは年0.91%です。養老保険や学資保険など貯蓄性のある保険はこの方法で実質的な利回りを計算できます。詳しくはこちらのページを(http://moneylab.ldblog.jp/archives/cat_50051805.html)。

年金保険の利回りはIRR関数で求める

今回考えたいのは年金保険の利回りです。たとえば、ソニー生命保険の「個人年金保険」を例に考えてみます(http://www.sonylife.co.jp/examine/lineup/list/pension/)。この商品は次のような内容です。

40歳男性が20年間、毎月4万4640円ずつ払い続けると、60歳からの10年間、毎年120万円の年金を受け取れる。

image

この利回りをRATE関数で計算するのは難しい。60歳まで積み立てながら一定利率で運用を行います。そこで積み上がった原資を10年にわたって受け取るのですが、その間も運用は続くのです。60歳時点の原資を単純に10等分して受け取るわけではありません。

こうした出入りがある金融商品の利回りを計算するときはIRR関数を使います。下の画面写真を見てください。セルに毎年(もしくは毎月)のお金の出入りを並べて入力していきます。支払うべき保険料(自分から出て行くお金)はマイナスで、受け取る年金(自分に入ってくるお金)はプラスで入力するところがポイントです。

「-535,680」というのは一年間に支払う保険料ですね(40~59歳)。「1,200,000」は一年間に受け取る年金の額です(60~69歳)。列Aの年齢は分かりやすいように入力しただけで、IRR関数の計算に必要なわけではありません。

利回りを求めるには、IRR関数の引数として、お金の出入り(毎年の収支)を入力した範囲を指定します。下の例では、セルB2からB31に収支を入力しているので、次のように指定します。

=IRR(B2:B31)

image

これだけで利回りが求まります。期間や現在価値、将来価値などの引数は必要ありません。年単位でお金の出入りを指定したときは年利ですが、月単位だと月利になるので12倍して年利に直してください。もしあり得ない数字(10%とかマイナスとか)が出てきたら、「=IRR(B2:B31,1%)」と式を修正します。IRR関数では複数の答えが存在することがあり、「,1%」と追加することで「1%近辺の答えを求める」という意味になります。

IRR関数で先ほどの個人年金保険の利回りを計算すると0.754%になります。メガバンクの定期預金が年0.1%を切っている現状からすればそこそこの利回りに見えますが、30年も固定されることを考えるとちょっと微妙な数字ですね。

計算結果をFV関数とPMT関数で検証

念のために0.754%という数字が正しいかどうかを他の関数で確かめてみましょう。まずFV関数を使い、年0.754%で20年間、年53万5680円(月4万4640円)ずつ積み立てたときの将来価値を計算します。

=FV(0.754%,20,-535680)

この結果から、60歳時点では年金原資が1151万6783円になっていることが分かります。次にPMT関数を使って、「利率は0.754%、期間は10年、現在価値は1151万6783円」の条件で60歳以降の毎年の受取額を計算します。

=PMT(0.754%,10,-11516873)

答えは119万9986円となります。ちょっと誤差が出ていますが、商品の設計通りに毎年120万円を受け取れます。確かに計算が合っていますね。



2012年05月16日

フリーランスが資産運用するときの最適なポートフォリオとは?

「フリーランスが老後に備えて長期的に積み立てをするには、まず公的な制度を活用すべき。それで足りないときに民間の金融商品を使いましょう」と以前に紹介しました(http://moneylab.ldblog.jp/archives/51825337.htmlhttp://moneylab.ldblog.jp/archives/51825512.html)。公的な制度は税制面で優遇されているため、同じ金額を積み立てるにしても実質的な利回りがとても高くなるのです。

でも、公的な制度と一口に言っても「国民年金基金」「小規模企業共済」「確定拠出年金」の3つがあります。「この3つをどう使い分ければいいのか?」が次の問題になります。

  月掛金の上限 目的 特徴
国民年金基金 合わせて6万8000円 老後に受け取る年金に上乗せ(確定拠出年金は一括受取も選択可) 毎月一定額を積み立て。受給額は確定
確定拠出年金 運用商品を選択する。受給額は未確定
小規模企業共済 7万円 退職金の積み立て 毎月一定額を積み立て。受給額は確定

ちなみにこれらの制度は会社員だと利用できません(確定拠出年金だは利用できることがある)。フリーランスなど個人事業主のための制度です。

インフレにもデフレにも対応できるように考える

いろんな考え方があるでしょうが、「国民年金基金:小規模企業共済:確定拠出年金=3:3:4」くらいの振り分けが良いんじゃないかと思います。月に5万円を積み立てるなら、それぞれ「1万5000円、1万5000円、2万円」です。

国民年金基金と小規模企業共済は、現時点で受給額が確定しています。銀行預金と同じように元本割れの恐れはありません。しかし、インフレによって物価が上昇すると、将来的に受給できる実質的な価値が目減りしてしまいます。

一方の確定拠出年金は、将来の受給額は運用実績によって変動します。今後の経済情勢によっては、積み立てた掛金を下回る額しか受け取れない可能性もあります。しかし、株式はインフレに強い資産なので、株式中心に運用すればインフレが進んだときは受け取れる額も増えている可能性が高い

要するに「国民年金基金/小規模企業共済」と「確定拠出年金」をバランスよく持っておけば、経済情勢がどうなろうとも損失を最小限におさえられます。インフレが進んだときは確定拠出年金が利益を出してくれるはずだし、反対にデフレが続いたときは国民年金基金/小規模企業共済の実質的な価値が上昇しています。

株式の比率は抑えめが安全

確定拠出年金を40%にしたのは理由が2つあります。まずは、今後しばらくは急激にインフレになるとは考えにくいため、あまり株式の比率は高くしない方がいいんじゃないかと思います。もし急激にインフレが進みそうであれば、そのときに比率を見直せばいいのです。

もう一つの理由は、確定拠出年金の比率が高すぎると精神的なダメージを受ける恐れがあるため。株式を中心に運用するのであれば、運用残高はかなり大きく上下します。受取時にプラスになっていれば大丈夫とは言え、運用中に元本割れの数字を見るのは気分的に良くないもの。

この他に民間の金融商品で運用をする場合も、同じように株式などリスクが高い資産は比率を半分程度にとどめておいた方が安全です。株式を40%にとどめておけば、もし株価が半値に暴落しても、資産全体から見た損失は2割程度におさえられます。

以前の私は「資産運用で大きく増やそう!」と株式(特に新興国株式)の割合をかなり高めにしていました。でも、運用残高が乱高下するので、資産運用という作業自体を楽しめる人でないと、長期的にやるのは難しい気がします。他にもいっぱい悩みがあるのに、わざわざ新しい悩みを増やすのもバカバカしい。

そういうわけで、最近は「リスクの最小化」を最大の目的として、ポートフォリオ(資産の配分)の組み替えを進めています。株式の比率が半分を下回ると、気分的にはかなり違ってきました。「3:3:4」という数字はこうした反省を元にした数字です。

これはあくまで私の個人的な考え方なので、皆さんの懐具合や性格などを考えに入れて、最適なポートフォリオを探してみてください。「人生はバクチだ」と考えるなら、株式にすべて突っ込むというのもありです(でも、フリーランスという立場自体がバクチなので、資産運用でもバクチをうつのはどうなんでしょうかねえ。本業で一発当てるのを目指した方が…)。

フリーランスが貯蓄を殖やしたり、老後に備えた積み立てを行う方法は、6月10日の勉強会(東京・池袋で開催)でも解説します。勉強会についてはこちらをご覧ください(http://kokucheese.com/event/index/37504/http://moneylab.ldblog.jp/archives/51825070.html)。



2012年05月15日

フリーランスなら投資信託を2割引で買える超おトクなシステムを利用できる

近ごろ、ネット証券が投資信託の積み立てに力を入れています。SBI証券の場合、毎月の最低積立金額が500円で、1000本以上の投資信託がラインナップされています。

でも、フリーランスが投信の積み立てを始めるのであれば、まずは確定拠出年金(DC、日本版401k)を使うべきです。DCは税制面で優遇されているので、ネット証券で普通に投信を購入するよりも実質的な利回りが圧倒的に良くなります。もし「月5万円ずつ積み立て」なんてやっている人であれば、その半分でもDCに回すべきです。

確定拠出年金とは、毎月一定額の掛金を支払い、それで自分の好きな金融商品を購入するもの(投信の他、定期預金、年金保険なども選べる)。フリーランスの場合、月6万8000円まで積み立てができます。そして、毎月支払う掛金で金融商品を買い増していき、60歳を過ぎてから老後の資金として引き出すことができます。もっと詳しく知りたい方はこちらのページからどうぞ(http://www.npfa.or.jp/401K/)。

DCの最大のメリットは、掛金(要するに投信の購入代金)がすべて所得控除の対象になるところ(所得控除はhttp://moneylab.ldblog.jp/archives/51825337.htmlも参考にしてください)。課税所得が300万円であれば、税率(所得税&住民税)は20%です。月5万円ずつDCで積み立てをしたとき、その20%に当たる1万円分だけ毎月の税金が安くなるわけです。つまり、実質負担4万円で5万円分の投信を買えるという超おトクなシステムになっています。なお、税金の軽減される幅は所得の大きさで違ってくるので、所得が多い人はもっと税金が安くなります(反対に所得が小さいと軽減の割合も小さい)。

さらに掛金で運用したときの売買益について税金が発生しません。普通にネット証券で投信を買いって値上がりしたところで売却すると、利益に対して10~20%の税金がかかります。DCではこの税金を支払う必要がないので、価格を見ながらこまめに売買することができます。

ただし、DCは老後に受け取る年金を積み立てるためのもので、60歳になるまで引き出しはできません。当面必要な生活費や子どもの教育費を準備するためには使えません。また、自分で適切な金融商品を選択して運用する必要があり、選択を間違えると将来的に掛金を下回る額しか受け取れない可能性も。「掛金を支払うだけで放置」というわけにはいきません。

当面の生活費や教育資金に困らないのであれば、積み立ての大部分はDCに回してもいいと思います。また、現時点で余裕がないとしても、ある程度は税制面で優遇されたDCで運用することが将来の安定のためにはおすすめです。

ちなみに、この制度(個人型DC)をフルに活用できるのはフリーランスや自営業者のみ。企業年金がある会社に勤めていると加入できませんし、企業年金なしの会社員だと掛金の額は月2万3000円が上限です。フリーランスなら有利な制度で月6万8000円まで積み立てができるのですから利用しない手はないと思います。加入方法はこちらのページから(http://www.npfa.or.jp/401K/join/)。

確定拠出年金(DC)を活用して老後に備えた積み立てを行う方法は、6月10日の勉強会(東京・池袋で開催)でも解説します。勉強会についてはこちらをご覧ください(http://kokucheese.com/event/index/37504/http://moneylab.ldblog.jp/archives/51825070.html)。



2012年05月14日

フリーランスの老後の備えは、まず公的な制度を活用する。民間の金融商品よりもずっと有利

フリーランスが老後の生活費を積み立てる場合、まずは公的な制度(確定拠出年金や小規模企業共済など)を活用すべきです。それで足りない部分は民間の金融商品を使うことになりますが、公的な制度をまったく利用しないのはもったいない。

その理由は2つあります。

まずは、積み立ての利回り自体がいいのです。「小規模企業共済」の場合、予定利率は1.5%程度。メガバンクの定期預金は10年でも年利0.12~0.15%ですから、10倍近くも利回りが高いわけです。

もう一つは、公的な制度では保険料や掛金がすべて所得控除の対象になります。払い込んだお金が経費として認められるため、課税所得が少なくなります。その分だけ税金(所得税や住民税)が安くなります。

フリーランスの場合、売上のすべてに税金がかかるのではなく、売上からまずは経費を引きます。さらに配偶者控除や扶養控除などの所得控除を引きます。その残りが課税所得となるわけです。公的な制度を使った積み立ては全額が所得控除の対象となるので、積み立てをしながら節税もできてしまいます。

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この所得控除の効果がかなり大きい。たとえば、課税所得が300万円の場合、税率(所得税と住民税の合計)は20%です。毎月3万円ずつ公的制度で積み立てる場合、一年間に支払う額は36万円。税率20%をかけ算すれば、年間で7万2000円(360,000×0.2)も税金が安くなる計算です。

現在40歳の人が小規模企業共済に加入し、毎月3万円ずつ積み立てていくとしましょう。60歳時の受取額は835万9200円になります。ところが、税金が一月あたり6000円軽減されるため、実質的な掛金は毎月2万4000円です。エクセルのRATE関数で計算してみると、節税分を考慮した実質年利は3.54%という大きな数字になります。

リスクがほぼゼロで、ここまで利回りがいい金融商品なんて、今ではどこを探しても見つからないはず。せっかくいい制度が用意されているのだから、フリーランスは公的な制度(確定拠出年金や小規模企業共済、国民年金基金)の仕組みをきちんと理解し、使いこなす必要があります。

小規模企業共済とは
中小企業の役員や個人事業主が、退職金を積み立てるための制度。退職時や廃業時にそれまで積み立ててきた共済金を受け取れる。途中で解約することもできるが、短期間で解約すると払い込んだ掛金に満たない共済金しか受け取れないことも。
http://www.smrj.go.jp/skyosai/

これらの制度を活用して貯蓄を殖やしたり、老後に備えた積み立てを行う方法は、6月10日の勉強会(東京・池袋で開催)でも詳しく説明します。勉強会についてはこちらをご覧ください(http://kokucheese.com/event/index/37504/http://moneylab.ldblog.jp/archives/51825070.html)。