2012年02月22日

ウォーターピック(口腔洗浄機)は無意味。お金と時間のムダだと思う

近ごろ「ステマ」という言葉をよく耳にする。ステルスマーケティングを略したもので、宣伝とは気づかれないように宣伝活動をすることだ。たとえば、サクラを使って口コミサイトに良いことを書いてまわる。「口コミだから信頼できる情報だ」と考えるのは今や間違いだ。半分くらいは業者の書き込みだと考えた方がいい。

imageウォーターピック(口腔洗浄機)をめぐる口コミ情報もその一つだと思う。ネットでは「ウォーターピックは口臭予防に効く!」といった話題を目にすることが多く、某掲示板では定期的にこのトピックで盛り上がる。そのやりとりをまとめたサイトが興味深い(http://lifehack2ch.livedoor.biz/archives/51317556.html)。

「食べかすがきれいにとれる」「歯周病が改善した」「口臭がなくなった」みたいな書き込みが並んでいて、「ステマ」くさい書き込みもまじっている。これだけ「効果がある」と書く人が多ければ、「もしかしたら本当に効果があるのかも。1万円くらいだったら試してみよう」という気になる人も出てきそうだ。

私もウォーターピックを買って使ってみたが、手間とお金がかかるだけで、それに見合うだけの効果はないと思う。というわけで、自分の体験も含めてウォーターピックの効果について考えてみたい。

まず、「ウォーターピックで食べかすがとれる」というのは、歯磨きがきちんとできていないだけのこと。それ以前に歯ブラシやフロスの使い方を練習すべき。私は歯ブラシとフロスの後にウォーターピックを使っていたが、食べかすがとれると感じたことは一度もない。もちろん歯ブラシ前にウォーターピックを使えば、いっぱい食べかすが出てくる。

「歯周病が改善した」という人は、ウォーターピックを使う前に歯科医院で歯周病の治療をしてもらうべきだろう。ウォーターピックで血が出てくるような人は歯周病がかなり悪化しているはず。歯石がびっしり付いていると思われるので、きれいに除去してもらわないと大変なことになりそうだ。掲示板では「水流を当てると血がでますが、がんばって続けると良くなりますか?」みたいな書き込みがあったが、その後はどうなったのだろうか。

ちなみに私は、初めて電動歯ブラシを買ったとき(30歳くらいのとき)、歯ぐきから大量に出血したので、それがきっかけで歯科医院に通うようになった。30歳まで虫歯は一本もなく「私は虫歯になりにくい体質なんだ」と思い込んでいた。だが、歯周病はけっこう進行していたらしく、改善するまで3カ月くらいは歯医者通いを続けなければならなかった。ドクターには「歯ぐきがこんなに腫れているのにどうして放置していた?」と言われたが、私は「歯ぐきが腫れている」という認識がまったくなかったのだ(もちろん歯周病が進行しているなんて夢にも思っていなかった)。もしタイムマシンに乗ることができれば、20歳ころの自分に「特に症状がなくても、半年に一回は歯医者さんに行け」と言ってやりたい。

「口臭がなくなった」というのは、それまでまともに歯磨きをしていなかった人が、ウォーターピックの購入をきっかけに歯磨きをきちんとするようになったという程度のことではないだろうか。ウォーターピック自体は歯垢を除去する能力があまり高くない。実際に染め出し液を使ってどれくらい汚れが取れるか試してみたところ、取れるのは取れるが時間がかかる。歯ブラシで落とす方がずっと効率的だった(うちはリコーのデントレックスをフルパワーで使っていた)。

ウォーターピックの効果がまったくないとは言わないし、爽快感があるのも事実だ。好きで使っている人に「無意味だからやめろ」と言う気はない。しかし、口の中の健康をたもつ上での優先順位は高くないと思う。歯ブラシとフロスだけでもしっかりやるには5分くらいかかる。さらにウォーターピックを使う気にはなれない。同じお金と時間を使うのであれば、他にもっと有効な使い道があるはずだ。

 

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銀行に行って25年前の休眠預金を解約してきた

先月に実家へ帰ったとき、20年以上も前の古い通帳が出てきた。近ごろ話題の休眠預金である。通帳の最後の行を見ると「8,280円」の残高がある。「ちょっとした臨時収入になりそうだ」と、すぐに銀行に持っていて解約することにした。

通帳によると最後の取引日時は昭和63年5月だから、今から25年も前のことだ。銀行の窓口で解約をお願いすると、「少しお待ちください」と番号札を渡された。こういう手続きは珍しくはないのだろう。特に何も質問されることもなかった。

しかし、「少しお待ちください」という言葉にもかかわらず、手続きが終わるまでずいぶん待たされた。10分くらいたって番号を呼ばれたので「意外にスムーズに終わったな」と思ったが、「キャッシュカードはお持ちでしょうか。もしなければ紛失届に記入してください」とのこと。そして、届けを書き込んでから再度番号を呼ばれるまでが長く、30分くらいは待っただろう。

そのわけは、戻ってきた通帳を見ると分かった。下の写真を見て分かるように、記帳されていなかった取り引き記録がボールペンで書き込まれている。古い記録を引っ張り出してきて、手書きで写すしかなかったようだ。これでは時間がかかるのも仕方ない。

残念だったのは8,280円の臨時収入があると思っていたのに、戻ってきたのは208円しかなかったこと。8,000円の引き出しが記帳されていなかったのだ。208円ではバス代にもならないよ。

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しかし、古い通帳はとにかく面白い。通帳には昭和60年3月から昭和63年8月にかけてのお金の出入りが記録されていた。高校2年生の春に通帳を作って、高校卒業後の1年間のブランク(要するに浪人)を経て、大学での初めての夏休みを迎えるまで3年あまりの記録だ。

高校2・3年のときは数千円という細かな出入りがほとんどだ。それが卒業後には万円単位の入金が何度か見られる。これはアルバイトを始めたので扱うお金の額も増えたため。外語大に入ったのは、このアルバイトのお金で海外旅行に行ったのがきっかけである。出発前日は興奮して寝付けなかったのを覚えている。

昭和63年の春には10万円を超える高額の取引を繰り返しているが、これは大学入学で東京に出てきたときの話。12万円の引き出しはおそらくアパートを契約したときのものだろう。家賃は月3万円だったから、敷金・礼金・前家賃・手数料でぴったり計算が合う。

8万円の引き出しはたぶん電話を引いたときかな。当時は電話加入権が7万2000円だった。もしかしたら秋葉原に冷蔵庫や炊飯器、掃除機を買いに行ったときかもしれない。ちなみに、実家に帰ったときに電話を引いたことを話したら、「電話加入権は質屋で買えばもっと安くすんだ」と父親に怒られた。

通帳を見ていると当時のことが次々に思い出される。未来には無限の可能性があると信じていた17歳から19歳のころの出来事だ。



2012年02月20日

e-taxのバカバカしさと税務署のあきれた態度

確定申告の季節がやってきた。去年まではe-taxで申告をしていたが、今年から書面での申告に戻すことにした。e-taxとは国税庁のサイトからコンピュータを使って申告書のデータを送信するもの。e-taxによる初めての申告では4,000円の電子証明書等特別控除を受けられる。

要するに初めてe-taxで申告するときは所得税が4,000円安くなる。2年目以降は税金が安くなると言うメリットはないけれど、医療費控除を受けるさいの領収書を提出しなくてもいいとか、還付金が速く戻ってくるという利点がある。

だが、e-taxで必要となる電子証明書(住基カードのICチップに書き込まれている)は3年という有効期限がある。私は3年前に電子証明書を取得したので、今年の確定申告では電子証明書の更新手続きをしないとe-taxで申告できない。それには区役所まで出向いて手続きするだけでなく、500円の発行手数料まで必要となる。

わざわざ時間とお金を使ってまでe-taxで申告しようと思うのは、よほど奇特な人だろう。3年に一度はe-taxの控除を受けられるようにすべきではないだろうか。せめて電子証明書の発行手数料くらいは補填してくれないと、誰もe-taxを選ばなくなる。政府はe-taxを普及させようという気がないようだ。

それよりも、個人の申告で電子証明書まで必要なのだろうか。書面で申告する場合、郵送で申告書を送ってもかまわない。また、税務署の窓口で申告書を提出するときも、身分証明書などの提示を求められることはない。なぜe-taxだけ電子署名署なんて面倒な仕組みで本人確認をするのか。パスワードなどもっと簡便な方法でも問題はないはず。そもそも誰がどういう目的で私になりすまして申告書を提出するというのか。

税務署に申告書を出すとき、窓口の人にこうした意見を述べた。そうすると「お年寄りなどは税務署に出向く必要がなくなる」「我々もがんばっています」なんて意味不明の答えが返ってきた。郵送でも申告できるならe-taxである必要はない。こちらはシステムがおかしいんじゃないかと意見を言っているのであって、あんたたちががんばっているかどうかなんて関係ない。

民間であれば、こうした意見が寄せられたとき、「貴重なご意見をありがとうございます。今後のサービス向上のために参考にさせていただきます」と言うのが普通だろう。利用者の意見に対して「がんばっています」なんて答える会社なんて考えられない。やっぱり役所は感覚がずれている。思い上がりもはなはだしい。

 

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2012年02月01日

エクセルで家計を分析するもっとも簡単な方法 & エクセルの家計簿を家計管理に役立てるテクニック

家計簿を付けるのは大変な作業だと思われがちだが、エクセルを使うと入力も集計も簡単だ。専用の家計簿ソフトもいいけれど、エクセルなら自分に合わせて費目などを自由できる。また、普段からエクセルを使っている人にとっては、使い方をあらためて学習する必要がないところもすぐれている。

これが私が実際に使っているエクセルのシートだ。入力する項目は「日付」「金額」「メモ」「費目」の4つだ。これらの項目をただシートに入力していくだけで、右側に費目ごとの合計金額が表示される。また、円グラフで費目の割合をつかむのも簡単だ(数値が適当なのは勘弁してください)。

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このシートでは2つの関数(SUM、SUMIF)を使っている。「SUM」はもっとも基本的な関数で合計を求めるもので、今回は支出全体の合計額を求めるために使っている。たとえば、「=SUM(A1:A10)」と入力しておけば、セルA1からA10の範囲にある数字をすべて足し合わせたものが求められる。

だが、家計簿では下に表が伸びていくので、合計するセルの範囲を指定するのが難しい。そこで「=SUM(B:B)」と入力する。「B:B」とは列B全体を意味していて(今回のシートでは列Bに「金額」を入力している)、SUM関数の対象に「B:B」と指定することで列B全体の合計を求められる。

もう一つの「SUMIF」は、指定した条件に合致する数字のみを合計する関数だ。「=SUMIF(範囲,検索条件,合計範囲)」という書式になっている。たとえば、「=SUMIF(D:D,"食費",B:B)」というのは、「列Dが『食費』という条件を満たす行について、列Bの数字を合計する」という意味。要するに費目が「食費」の合計を求めることができる。

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上のシートでセルG5に実際に入力しているのは、「=SUMIF(D:D,F5,B:B)」という式だ。日本語に翻訳すれば「列Dが『F5』という条件を満たす行について、列Bの数字を合計する」となる。セルF5には「食費」と入力しているので、「=SUMIF(D:D,F5,B:B)」は食費の合計を求めていることになる。

なぜ検索条件に「食費」と指定せずに「F5」というセルを指定しているかと言えば、式を入力する手間を軽減できるからだ。あらかじめ列Fに「交通費」「雑費」などの費目を並べておけば、最初にセルG5に入力した式を下のセルにコピーするだけで、他の費目の合計を求める式を作成できる。後から費目の名前を変更したときは列Fの費目リストを書き換えるだけでいいし、費目を追加したときは列Fに新しい費目を入力したあとにセルG5の式をコピーする。

ちなみに式をコピーするときは「オートフィル」という機能を使うと便利だ。先に列Fに費目一覧を入力しておく、セルG5に上の式を入力したら、セルの右下にある「■」にマウスポインターを合わせて下に引っ張る。ドラッグした範囲に式が自動入力されるから、費目の数がどんなに多くても一発で入力が終わる。

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費目ごとの合計一覧が計算できたら、この部分を選択して円グラフを作ってみよう。どの費目の割合が大きいのかが一目で分かる(下のグラフはあくまでサンプルなので、数字は適当です)。

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なお、エクセルの基本的な使い方をすべて書くわけにはいかないので、ここまでの話が理解できない人は、下にあるような入門書で勉強してください。

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PDCAサイクルで家計を改善する

さて、これから家計簿を付け始める人へのアドバイスだ。家計簿を付ける前に、まずは費目ごとの支出が各何円かを予想してみよう。「食費は××円。光熱費は××円。通信費は××円。合計で××円」というように書き出す。そして、1カ月後にその予想と実際がどう違っているかを確認する。

予想と実際がだいたい一致した人なら安心だ。もともとしっかりと家計が管理できている可能性が高い。だが、ほとんどの人は予想と実際に差があるはず。私の場合、「趣味の費用が意外に少ない」「食費が思ったよりもかかっている」「なぜか雑費が異様に多い」という結果だった。「その食い違いがどこから生じたのか」と考えながら家計簿を見直し、どこを節約すべきなのかを検討していくといい。この作業を2~3カ月ほど繰り返すことをおすすめしたい。

ビジネスの世界でよく聞く「PDCAサイクル」を家計管理にも適用するわけだ。

  • P(plan) 計画を作る
  • D(do) 計画を実施する
  • C(check) 結果をチェックする
  • A(act) 改善点を見つけ、最初に戻る

最初の1カ月は1円単位で正確に記入する

家計簿で失敗しないために「1円単位で記入しなくてもかまいません。ざっくりと傾向をつかむだけで十分です」とアドバイスする人がいるが、私は違うと思う。最初の1カ月は1円単位ですべての支出を正確に記録すべきだと思う。

私の場合、リビングに箱を用意して、そこにレシートなどを入れるようにした。レシートが出ない支出(バス代など)は紙に金額を書いたものを入れておく。そして、2~3日に一回の割合でエクセルに入力していった。

大変な作業に思えるが、シートに入力するのは日付と金額、費目、メモだけだから、キー入力に慣れた人ならたいした負担ではない。数分で終わる作業である。私の家庭では1カ月の行数が100~200の間におさまる。家計簿を付け始めて4カ月になるが月200行を超えたことはまだない。

最初の1カ月はがんばって正確に家計簿を付け、2カ月目からは同じように続けるか、自分なりに方法をアレンジして続けるといい。また、1カ月で支出の傾向がつかめたなら、それで家計簿を付けるのをやめてもかまわないと思う。

家計に余裕がないのであれば、家計簿を付けること自体が無駄遣いの防止に役立つ。だが、ある程度の余裕がある人なら、家計の実態がどうなっているかを一度反省してみるだけでも十分に意味があるはず。「家計簿を付けるのが楽しい」と思えるのでなければ、無理して続けることもない。ただし、1カ月だけは実情を正確に把握するために1円単位でしっかりと記録すべきだと思う。

費目は入力しながら最適化していく

実際にデータを入力する上で悩むのが、どんな費目を設定するかだ。家計簿ソフトだと費目が固定されていることが多いが、エクセルなら自由に選べる。あまり細かくしすぎると覚えるのが大変なので、ざっくりとした大まかな分類でかまわないと思う。

私の家計簿ではこんな費目になっている。大まかとは言いながらも、列挙すればかなりの数になる。

食費、外食費、交通費、水道光熱費、通信費、新聞図書費、教養娯楽費、住居費、交際費、医療費、美容被服費、保険料、税金・社会保険料、雑費、臨時費

私は仕事がら本を購入することが多いので「新聞図書費」を独立させたが、人によっては「教養娯楽費」と合わせてもいいだろう。

「美容被服費」とは2カ月目から新設した項目であり、最初は「雑費」に含めていた。1カ月目の家計簿を振り返ったとき、「雑費」の金額があまりに大きく、その中の大きな割合を占めている化粧品や衣料品、美容院などの費用を独立させた(もちろん化粧品や美容院とは妻の支出だ)。

「臨時費」も2カ月目に登場した費目である。冠婚葬祭とか帰省といった臨時費用を雑費に含めると費目ごとの割合が分かりにくくなる。冠婚葬祭を「臨時費」とすると、「友人の結婚式の二次会は『臨時費』か『交際費』か」なんて問題が出てきそうだが、こうした悩みはせいぜい月に2~3回なので、そのときの気分で決めたらいい。

「食費」「外食費」は人によっては分けなくてもいいと思う。その代わりに「アルコール費」(喫煙者なら「タバコ費」)という費目を作るべきかもしれない。また、うちは子どもがいないけれど、子どもがいる家庭なら「教育費」という費目も必要になる。

どんな費目を設けるかは家庭の事情によって違ってくる。入り口で悩むべきではなく、とりあえずは暫定的な費目で開始しよう。家計簿を付けているうちに「これも必要」「こっちは不要」というのが分かってくる。

別の見方をすれば、スタート時は支出の内訳を把握できていないので、どんな費目を設定すればいいのか分かるわけがない。家計簿を付けることで自分の家庭に合った費目を見つけられたときは、すでに家計の管理もしっかりとできるようになっている。

エクセルで家計簿を付ける利点は、費目の最適化が簡単にできるところだ。その最適化作業を繰り返すうちに家計を管理する力も向上していく。



2012年01月29日

住宅ローンの繰り上げ返済で「返済期間短縮型」を選ぶべきではない2つの理由

住宅ローンの繰り上げ返済には「返済額軽減型」と「返済期間短縮型」の2つがあり、どちらか選択できるようにしている金融機関が多い。実際に繰り上げ返済をするときはどちらを選ぶか大いに迷うわけだが、「利息の軽減効果が大きい返済期間短縮型がおすすめ」というアドバイスをよく聞く。たとえば、こちらのサイトだ(http://finance.yahoo.co.jp/sonybank/vol5/page02.html)。

しかし、利息軽減額の大きさに着目して返済期間短縮型を選択するのは間違っているのではないかと思う。少なくともファイナンシャルプランナーがこのような論理で返済期間短縮型をすすめるのは利用者をミスリードする可能性が高い。その理由は2つある。

返済額が減った分をすべて繰り上げ返済に回せば軽減される利息の額は同じになる

まず、必ずしも返済期間短縮型の方が利息の軽減額が大きいとは言い切れない。繰り上げ返済の手数料がかからず、1円単位で繰り上げ返済ができる住宅ローンがあったとしよう。返済額軽減型で繰り上げ返済をした人が、返済額が減った分をすべて翌月の繰り上げ返済にまわしたとする。これを毎月繰り返していくと、返済期間短縮型を選んだときと同じペースで借入残高が減っていく。そして、最終的には返済期間短縮型と同じ期間で返済が終わり、利息の支払額も同じになる。

毎月繰り上げ返済をするのが面倒なら、軽減分を貯金しておいて1年単位で繰り上げ返済してもいい。利息の支払額はちょっと多くなるけれど、何十万円もの差が生じることはないはずだ。「返済期間短縮型の方が利息軽減効果が大きい」というのは、繰り上げ返済のチャンスが1度しかないときであり、何十年という返済期間の中で何度も繰り上げ返済のチャンスがある場合は話が違ってくる。

むしろ返済額の軽減分を「住宅ローンの返済にまわすか」「生活費など他の目的に利用するか」を自由に選択できる分だけ返済額軽減型の方が有利だと言える。そのときの状況によって機動的に動けるわけだ。手数料ゼロで1円単位の繰り上げ返済ができる住宅ローンであれば、返済期間短縮型を選ぶ理由が見つからない。

定年までの完済にこだわらず、滞納を防ぐことを最優先に考えるべき

もう一つの理由は、住宅ローン返済における最大のリスクを見誤っているところだ。「定年前に住宅ローンを完済しよう」と言葉を聞けば、返済期間を短縮する方が正しいように思える。だが、住宅ローンでもっとも怖いのは途中で返済ができなくなることだ。たいていの銀行は3カ月も滞納すれば何らかの対応を求め、支払いのめどが立たなければ任意売却などを提案してくるだろう。そして、住む家を失うだけでなく、借入残高によっては住宅ローンが残ることもありうる。

たとえ現在は家計に余裕があったとしても、何十年も先に住宅ローンを完済するまで一度の滞納もあってはならない。繰り上げ返済の資金があるなら、たとえ数千円であっても毎月の返済額を減らすために使う方が安心だと思う。ならば返済期間短縮型ではなく、返済額軽減型を選ぶのが正解だ。今は順調に返済できていても、これから給料が減ったり、病気になったり、何が起きるかは分からない。

もちろん返済が苦しくなったときは、銀行も返済期間の延長などの条件見直し、一定期間は元本の返済を猶予する(金利分のみ返済する)など、何らかの対応をしてくれることだろう。だが、確実に銀行側が対応してくれるかは分からないし、もし対応してくれるとしても面倒な交渉が待っている。住宅ローンに限らず、借金というものは返済期間の短縮は簡単にできても、反対に返済期間をのばすのは難しい。だから、繰り上げ返済においても、返済期間短縮型を選択して、わざわざ自分から将来のオプションを狭めることはない。

「定年前に住宅ローンを完済しよう」という言葉にもしばられない方がいい。確かに住宅ローンを早めに完済することが望ましい。だが、定年後に借り入れ残高がある程度残っていても、毎月の返済額が少なくなっていれば深刻な問題にはならないだろう。だいたい持ち家でなく、賃貸の人は定年後も家賃を払い続けているのだ。なぜ持ち家でだけ定年というラインを引くのか。あらかじめ繰り上げ返済によって、毎月の返済を家賃に満たない額まで減らしておけば、定年までに完済しなくてもかまわないと思う。反対に定年までの完済にこだわって、貯蓄を減らす方がずっとあぶない。

なるべく長期間で借りて、返済額軽減型で繰り上げ返済する

繰り上げ返済に限らず、住宅ローンの返済計画において支払利息の総額を前面に出して議論をすると選択を誤る可能性が高い。たとえば、最初に住宅ローンを借りるとき、利息の総支払額を減らすために短い期間で住宅ローンを組もうという力がはたらき、無理な返済計画を組む危険性がある。

年齢制限に引っかからないのであれば最長の35年で借り入れて、余裕があるなら繰り上げ返済で借入残高を減らしていけばいい。繰り上げ返済では自分の手足を縛ることになる返済期間短縮型ではなく、返済額軽減型の方が滞納のリスクを小さくすることができる。たとえ繰り上げ返済ができずに支払利息の総額がふくらんだとしても、途中で返済を続けることができずに家を手放すよりもずっとましだ。

プロのファイナンシャルプランナーの面談であれば、ここまで書いたようなことも踏まえたアドバイスができるだろう。だが、面談とは違って、書籍や雑誌、新聞、ウェブサイトでは一般的な話しかできないし、字数の制約もあることから物事の一面しか伝えられないことがある。たとえ著名なファイナンシャルプランナーが書いたことであっても、そのまま自分に適用できるとは限らないことに注意してほしい。

だから、駆け出しのファイナンシャルプランナーが書いたこの一文に対して、「フラット35では100万円以上でしか繰り上げ返済できない」とか「保証料が外枠の住宅ローンを忘れている」とか細かいつっこみは勘弁してください。



2011年10月07日

電話一本でプロバイダー料金が何百円も安くなる

近ごろほとんどFAXのやりとりがなく、せいぜい月に1回あるかないか。そのためにFAX回線を維持するのはムダだと考えて、電話回線をひとつ解約しました。これで月1676円の節約です。

他にも通信費を削減できる余地がないかと思って、電話会社やプロバイダーの料金プランを調べ直したところ、なんとプロバイダーに新しい料金プランができているではありませんか。私が利用しているのはASAHIネット(およびフレッツ光)なんですが、加入当時はプランMという月1050円のコースがフレッツに対応した最安値のコースでした。でも、今は「ASAHIネット光 withフレッツ」というプランが登場して、月819円で利用できるみたいです。

さっそくASAHIネットに電話をかけたところ、手数料なしで切り替えが可能だといいます。ただし、ひとつだけ条件があって1年以内に退会すると2100円の違約金が発生するとのこと。1年以内でもコース変更なら違約金はいらないし、1年経過後なら退会も違約金なしです。そういうわけで月819円のコースに変更して、プロバイダー料金が月231円安くなりました。もっと早くに気づいていれば…。

ちょっと前のこと、Yahoo! BBのADSLに加入している知人がいました。スタート当初に加入したために8Mbpsコースで月3290円です。しかし、今は12Mbpsでも月1889円というコースがあります。ただし、2年しばり(指定月以外に解約すると解除料9975円が発生する)があります。知人によると「当面は解約する気はない」という話だったので、新しいコースに変更するだけで通信費を月1401円も安くできました。1年では1万6812円だから、けっこう大きな金額ですね。

そのとき、「プロバイダーのウェブサイトは定期的にチェックして、新しいコースとか割引制度がないかを調べた方が良いよ」なんて話をしたんですけど、自分が新コースを見逃していたとは情けないかぎりです。

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2011年08月30日

【大人の社会科見学 第4弾】お札と切手の博物館

前回の造幣博物館(http://moneylab.ldblog.jp/archives/51765651.html)は硬貨を展示していましたが、今回の「お札と切手の博物館」はその名の通りにお札と切手を見られます。場所は東京の北区。京浜東北線の王子駅から歩いて5分くらいのところにあります。入場は無料。月曜休館なので平日働いている人でも大丈夫。

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この博物館、以前は市ヶ谷にありましたが、2011年3月に現在の王子に移転してきました。博物館を運営しているのは「独立行政法人 国立印刷局」なんですけど、実は事業仕分けの対象となりまして不要な資産を売却することになりました。市ヶ谷時代に比べると王子の展示室はかなり狭くなってしまったのが残念。

展示室に入ってまず目に付くのが体験コーナーです。1億円の札束の重さを体験できたり、体重計にのると自分の体重が札束換算で何億円になるかが分かったり、顕微鏡があってお札に隠されたマイクロ文字を見られたり、気軽に楽しめるコーナーです。他にも1階展示室ではお札や切手の製造工程が紹介されていて、お札の原版やそれを作るための道具などが見られます。

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しかし、この博物館の見どころは2階です。お札と切手の歴史を紹介していて、日本で最初の紙幣と言われる山田羽書から始まり、江戸時代の各種藩札、明治政府が発行した太政官札やゲルマン紙幣など貴重な資料がいっぱい。明治以降に発行された紙幣については、ほぼすべてが展示されています。さすがに眼鏡百円は複製の展示でしたが…。

古銭ショップでも古いお札を見られますけど、これだけ多くのお札を時系列に整理された形で見られるのは博物館ならでは。お札というのは偽札との戦いの歴史であり、時代とともに偽造防止の技術が進化してきました。本物のお札を近くで見ると、印刷技術が進化してきた流れが実によく分かります。江戸時代の藩札でもかなり精密なんですが、明治期の紙幣だと今でも十分に通用しそうなほど高品位です。一方、太平洋戦争の期間中は印刷の品質がガクンと落ちるのがひと目で分かるほど。

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国立印刷局にはお札の基礎知識についてのページがあるので、事前に予習しておくと楽しさは倍増すると思います(http://www.npb.go.jp/ja/intro/)。

切手については、私はあまり興味がないのでよく分かりません。スペースはお札に比べると小さく、いろいろ見たいのであれば目白の「切手の博物館」の方がいいかも。でも、こっちは製造工程の紹介も見られるのが特徴と言えるかもしれません。あまり目立ちませんけど、旅券や国債なども展示されています。要するに国立印刷局で印刷しているものは一通り展示の対象になっているわけです。ちなみに2階は撮影禁止なので写真は一枚もありません。

王子までお出かけになったのであれば、ぜひ飛鳥山公園の中にある「紙の博物館」もおすすめです。お札も紙でできてますしね。他も飯田橋に印刷博物館というのがありますが、そちらの紹介はまた別の機会に。

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名称 お札と切手の博物館
URL http://www.npb.go.jp/ja/museum/
入場料 無料
予約 不要
見学時間 9:30~17:00。月曜日、年末年始は休館。
住所

〒114-0002 東京都北区王子1-6-1

アクセス JR京浜東北線/地下鉄 南北線/都電 荒川線 王子駅から徒歩約5分


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名称 紙の博物館
URL http://www.papermuseum.jp/
入場料 大人300円/小中高生100円
予約 不要
見学時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
住所 〒114-0002 東京都北区王子1-1-3(飛鳥山公園内)
アクセス JR京浜東北線 王子駅 徒歩5分、地下鉄 南北線 西ヶ原駅 徒歩7分、都電 荒川線 飛鳥山駅 徒歩3分

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