2011年01月12日

資産運用で元本保証の銀行預金に頼るのが危険な理由とは

老後に向けて資産運用をする場合、「いちばん安全なのは元本保証の銀行預金だろう」と考える人が多いようです。確かに株など他の運用手段では元本割のリスクがあるために、老後の備えには向かないように思えます。

しかし、銀行預金ではインフレによって実質的な価値が減ってしまうおそれがあります。確かに元本保証なので額面は減らないかもしれませんが、購買力という点で見ると目減りするリスクがあります。

下のグラフは過去50年の物価上昇率と金利を表しています。赤い線が物価上昇率(消費者物価指数の前年比)、青い線が金利(公定歩合)です。縦軸はパーセント。赤が青を上回っているところは、金利以上に物価が上昇していることを表します。要するに預金が目減りしているということです。

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バブル崩壊以降は超低金利の時代が続いています。しかし、物価がほとんど上昇していないどころか、デフレで物価が下がっているために、実質金利で見るとけっして低くはありません。ここ10年くらいを考えると、何も考えずに銀行預金をしておくのが、意外に賢い資産運用だったと言えます。

でも、こんな状態がずっと続く保証はありません。注目して欲しいのは1970年代です。青の金利よりも赤の物価上昇率の方がずっと上を走っています。1970年から10年間の間に物価は約2.4倍も上昇しました。一方、銀行に預金しておいた場合は約1.8倍にしか増えません(預金の金利が公定歩合だと仮定。普通預金の金利は公定歩合よりも低いです)。

国際分散投資(国内外の株や債券などに幅広く投資する)の目標は、物価上昇率に負けない運用をすることです。けっして資産を倍増させて、遊んで暮らそうという目的ではありません。短期的には元本割れする危険がありますが、長期的には物価上昇率を上回るリターンを期待できます。

これからもデフレが続くか、一転してインフレになるかは分かりません。国債の残高が増え続けている現状を見ると、今後はインフレになる可能性の方が高いように思えます。銀行預金はデフレには強いですが、インフレでは資産が目減りします。元本保証の銀行預金に頼るよりも、元本割れする危険はあっても長期ではリターンを期待できる国際分散投資の方がリスクは低いと言えます。もし一時的に元本割れすることがあるとしても、それは長期のリターンを得るためのコストだと割り切るべきです。



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