2011年01月14日

住宅ローンで総返済額ばかりに注目するのは危険。返済期間を無理に短くする必要はない

住宅ローンの返済期間を短くすると、利息の負担が減ってトータルの返済額は少なくなります。たとえば、こちらのR25の記事に試算が載っています。

しかし、トータルの返済額ばかりを強調するのも問題があるのではないかと思います。住宅ローンの最大のリスクは「何らかのトラブルで返済不能におちいること」です。総返済額を減らそうと期間を短縮すれば、月々の返済額はどうしても増えてしまう。現在では返済可能な額であっても、いきなり会社がつぶれるかもしれないし、給料ががくんとへるかもしれないし、病気で働けなくなるかもしれない。それでも、これから20年、30年と休みなく返済を続けなければなりません。

もちろん、返済が難しくなったときは、金融機関に相談すれば、元金の返済を待ってもらうとか、借入の条件を見直してもらうとか、方法がないわけではありません。でも、金融機関がそれを受けてくれるかどうかは分からないし、受けてくれるにしても交渉についやす負担は大きいはず。

むしろ総返済額が大きくなったとしても、35年の限度いっぱいで借り入れをして、月々の返済額を小さくするのが安全だと思います。そして、返済額が減った分はけっして消費に回すのではなく、繰上返済用の原資として別にとっておきます。そして定期的に繰上返済で借入残高を減らしていけば、結果としては総返済額は少なくてすみます

最近は繰上返済の手数料を無料にする金融機関も増えています。私も某メガバンクで住宅ローンをかかえていますが、ネットバンキングでいつでも無料で繰上返済ができるので、余裕ができたときはこまめに繰上返済をしています。また、みずほ銀行の「返済額増額指定サービス」のように、指定した金額を自動的に繰上返済するサービスもあります。

なお、繰上返済をするときも返済期間を短縮するのではなく、月々の返済額を軽減する方式を選ぶのが安全だと思います。何らかの理由で返済条件を変更するとき、返済期間を短くするのは簡単ですが、反対にのばしてもらうのは大変です。

当然のことですが、これはあくまで一般論です。共働きで収入が安定していて健康にも問題がなければ、返済期間を最初から短く設定してもいいでしょうし、子育てが終わって大きな支出がなければ繰上返済で返済期間を短くしてもいいでしょう。何が最適解であるかは人それぞれ違っています。

実は私も住宅ローンで失敗しました

住宅ローンでは「おトク」を追求するよりも、「安心」を最優先するべきだと思います。実は、私も住宅ローンの返済にはかなり悩まされました。建売住宅を購入して住宅ローンを組んだのはファイナンシャルプランナーになる前のこと。中途半端に住宅ローンの知識があったので、「返済期間を短くして元金均等返済を選ぶと総返済額は小さくなる」と、かなり冒険的なローンを組みました。エクセルで何度もシミュレーションをしながら、返済可能な範囲内で総返済額がもっとも小さくなるようにプランを作ったのです。

最初のプランでは、元金均等返済なので何年かがんばれば月々の返済額が減って負担も小さくなっていくはずだったのに、ご存じの通り、出版不況で仕事がどんどん減っていきます(ファイナンシャルプランナーの前にはフリーライターをしておりました)。返済不能になることはありませんでしたが、一時期は不安で仕事が手に付かなくなることもありました。幸いにも仕事がもちなおして繰上返済ができたおかげで、今では比較的無理なく返せるレベルまで月々の返済額を減らしました。

今から思えばバカな選択をしたものです。もし住宅ローンのシミュレーションをしていたときに戻れるなら、そのときの自分に対して「月々の返済額をなるべくおさえて、浮いたお金で繰上返済しろ。そうすれば返済のことで寝られなくなることもないし、総返済額も低くおさえられるぞ」とアドバイスしたいですね。



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