貯蓄に保険を活用する3つのリスク。貯蓄と保障は分けて考えるべき無料の保険見直しサービスがなぜ成立するのか? 保険料の半分が手数料という話も

2011年01月19日

生命保険の保険料には、実はこんなにたくさんの手数料が含まれていた

昨日は「貯蓄に保険を活用するにはいくつかリスクがある」と紹介しました(http://moneylab.ldblog.jp/archives/51588884.html)。合わせて見ていただきたいのが、保険の手数料の高さです。

2008年11月、ライフネット生命保険という会社が「付加保険料率」を公開したことが話題を呼びました。付加保険料率とは保険会社の経費のこと。この経費をのぞいた部分(純保険料)が契約者への支払いに回されます。つまり、付加保険料率が分かれば、保険の原価も分かるということです。今までこの数字が公表されることはありませんでした。

ライフネット生命が公開した数字はこちらのページ(http://www.lifenet-seimei.co.jp/deguchi_watch/2008/11/post_23.html)をごらんください。わざわざ数字を公開したということは、付加保険料率の低さ(つまり経費が少ない)に自信があるということです。しかし、それでも「30歳男性・保険期間10年・保険金額1,000万円」の付加保険料率は33%。要するに支払った保険料の3分の1は経費に消えてしまうということです。特に若い人や女性の経費の率が高くなっています。

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ライフネット生命は保険料が比較的低く設定されています。ということは他の大手保険会社はもっと付加保険料率が高いということになります。保険料を算出する基礎として、各年齢ごとの生存率や死亡率を一覧にした「生命表」があります。純保険料はこの生命表によって弾き出されるので、どの保険会社でもほぼ同じ。同じ条件の保険であれば、付加保険料(経費)の違いが保険料の差になっていると考えてほぼ間違いはないでしょう。ただし、大手保険会社の主力商品はすごく複雑な仕組みになっているため(アカウント型など)、掛け捨ての定期保険を主力とするライフネット生命と横並びで比較するのが困難です。

確かにひとつの商品で病気からケガ、介護、老後まですべてをカバーできるのは魅力的かもしれませんが、保険料の中にどれくらいの手数料が含まれているのか。そして、保険会社(および外交員)は手数料に見合ったサービスを提供してくれるのか。その保険会社と一生付き合っていくだけの価値があるのか。よく考えてみた方がいいかもしれません。こちらのページも合わせてごらんください(http://moneylab.ldblog.jp/archives/51587716.html)。

もちろん「高い手数料を払っても、それ以上の安心を得られる」という結論が出たのなら保険もいいでしょう。自分で判断が付かないときは、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのもひとつの方法です。病気でセカンドオピニオンを求めるように、外部のファイナンシャルプランナーの意見を聞いてみて損はないと思います。毎月何万円もの保険料を何十年にもわたって払い続けていくわけですから。



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