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2011年02月17日

本を「自炊」する最大のメリットは、眠っていた本を有効活用できること

「自炊」が注目を集め始めたのは昨年春にiPadが発売されてからだと思います。「自炊」と言ってもゴハンをつくるわけではなく、本や雑誌を裁断してドキュメントスキャナーで読み込んで電子データ(PDFファイル)に変換すること。電子書籍を自分で作ることを比喩的に「自炊」と言います。

これがうちのHDDの中の本棚です。アイコンをダブルクリックするとアドビリーダーが起動して中身を見られます。

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自炊にはどんなメリットがあるのか。自炊に興味はあっても一歩が踏み出せないという方に向けて自炊の良さを紹介したいと思います。

眠っていた本を自炊でよみがえらせる

最大のメリットは部屋がスッキリするところ。私が自炊を始めたのは4年くらい前ですが、それから1000冊以上の本や雑誌をデジタル化しました。それまで部屋の隅に積み上がっていた本や雑誌がなくなったおかげで、部屋が広く使えるようになりました。

ちなみに下の写真は、私が自炊を始めた頃に二週間くらい集中的に作業したときのもの。仕事の合間に自炊を進めて、これだけの本を古紙回収に出しました。それからはコツコツと時間の余裕があるときを見つけて自炊にはげんでいます。おかげで部屋の中が本だらけになることはなくなりました。

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自炊への最大の壁として「本を裁断するなんて本に申し訳ない」という心理があります。しかし、積み上がった本を見ることなんてまずないし、その存在すら忘れ去れていることが少なくありません。特に本棚の手前に本を積み上げて二列になると、裏側に何の本があるのか分からなります。また、ある本が必要になって探し回ったけれどどこにあるか分からず、仕方なく買い直したなんてこともあります。本を活用しないまま眠らせておくくらいなら、自炊して有効活用させた方が本も幸せなはず。もちろん小説など装丁の美しさや紙の手触りが重要なものはデジタル化には向かないと思います。いわゆる実用書が自炊の対象になるでしょう。

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全文検索で本をキーワード検索できる

もう一つのメリットは全文検索ができるところ。文字認識機能によって本の中に使われている単語を指定して、本を探せます。自炊した冊数が少なければ、PDFファイルをサムネイル表示して探せば良いんですけど、数百冊というレベルになると検索機能のありがたみを実感できます。

たとえば、「糖尿病にかかったときの経済的損失について具体的な数字を紹介した本があったけど、誰が書いた何という本か忘れてしまった」ということがありました。ウィンドウズ7には全文検索の機能が標準装備されているので、自炊した本が入っているフォルダを開いて「糖尿病」とキーワードを打ち込みます。数秒のうちに「糖尿病」という言葉が本文中にある本がリストアップされます。

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上の画面写真にあるように、タイトルに「糖尿病」と入っていない本であっても、本文のどこかにキーワードが使われているのです。なぜか「ホーキング、宇宙を語る」がヒットしましたけど、ファイルを開いてみると確かに「糖尿病」のキーワードがありました。宇宙論で大きな成果をあげた学者が糖尿病で亡くなった、という記述がありました。小田実の「何でも見てやろう」では、アメリカ社会が病んでいるという例の一つとして糖尿病の多さについて述べられていました。

このように「糖尿病」だけで検索すると100冊近く見つかったので、さらに「糖尿病 損失 費用」とキーワードを追加します。これで26冊まで絞り込めたので目的の本を探しやすくなりました。目的の本は「わかっちゃいるけど痩せられない メタボの行動経済学」でした。こうして書いたのがこちらの記事です(http://moneylab.ldblog.jp/archives/51567806.html)。

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もちろんネットで調べてもいいのでしょうが、「過去に自分が読んだ本の中から情報を探したい」ことも多いはず。その場合、自炊+全文検索が絶大な力を発揮します。

私の場合、ファイル名は「著者名 - 書名」という形式にしているので、著者名やタイトルで検索することも当然できます。全文検索だけではありません。

iPadの登場でPDFファイルが読みやすくなった

さらに、自炊した本は持ち運びがしやすいというメリットもあります。4年前に私が始めた頃は、ノートパソコンで読むしかありませんでした。しかし、2010年にiPadが登場して状況は大きく改善されました。PDFファイルをiPadに移すと実にきれいに読めるのです。しかも画面を指でサッとなでるだけでページめくりができる。スピードがはやくてストレスもありません。何十冊もの本をiPadに入れて簡単に持ち運びができ、どこでも気軽に読むことができます。アプリは「i文庫HD」がお気に入りです。

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タブレット型のデバイスは今はiPadやガラパゴスくらいしか選択肢がありませんが(わざわざ自炊本ビューアーとしてGalaxy Tabを買うのもバカバカしい)、これからは他のメーカーからも続々と自炊本向きのタブレットが出てくると思います。iPadも完全な機器というわけではなく「けっこう重い」「PDFファイルの転送が面倒」など弱点があります。ぜひタブレットの選択肢が増えて欲しいものです。

ちなみにiPhoneだとかNetWalkerとかLibrieとかKindlerとか、とにかくいろいろ試しましたが、自炊本のビューアーとしては使い物になりませんでした。iPhoneやNetWalkerは画面が小さすぎで文庫本でもきつい。電子ペーパーを使ったLibrieやKindleは良さそうに見えるんですけど、コントラストの微調整ができないので文字がかすれて読みにくいんですよね。Sony Readerだけはコントラストの調整ができるので、かすれは最小限におさえられますが、カラー液晶のきれいな画面にはかないません。私はちょっとくらい重くてもiPadやガラパゴスなど液晶を使ったビューアーを選びます。

「自炊の利点は分かった。でも手間がかかっては仕方ない」と思われるはず。どうも一冊の本をPDFファイルに変換するのに何十分もかかると思われているようですが、200ページ程度の文庫本なら5分もかからずに電子化が完了します。作業に慣れてくれば1時間に10冊くらいは処理できます。音楽でも聴きながら作業すれば、あっという間に終わってしまいましょ。自炊の効率的なやり方はまた次の機会に紹介したいと思います。



at 23:58│Comments(0)TrackBack(0)雑記 
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