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2011年02月18日

「日本人はライフプランがなく将来への備えができていない」という2つの衝撃的なレポート

昨日は2つの興味深いレポートが発表されました。ひとつは東京スター銀行の「日本、中国、米国の貯蓄に対する意識調査」です(http://www.tokyostarbank.co.jp/profile/pdf/110217.pdf)。東京と上海、ニューヨークのビジネスパーソン各300人に対して行われたインターネット調査であり、その結果から各国の貯蓄像を次のようにまとめています。

  • 具体的な貯蓄目的や人生設計もなく、将来への希望も持てない「日本人」
  • 具体的な人生設計を持ち、その実現のために貯蓄や投資に励む「中国人」
  • 生活を切り詰めてまでも、定期的に貯蓄を行う堅実な「米国人」

「堅実で定期的に貯蓄を行う」のは日本人の特徴であり、米国人は無計画に消費をするようなイメージがありますが、今やそういう見方は正しくないようです。実際に日本の貯蓄率はこの10年くらいで急速に低下していて、先進国中では最低レベルになっています。具体的な数字はBPnetの「日本の「家計貯蓄率」は世界最低水準」(http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100716/237208/)などで見られます。この2~3年に限れば、日本よりも米国の方が貯蓄率は高いのです。

しかし、貯蓄率の低下は貯蓄を取り崩す高齢者が増えただけなんじゃないか。現役の勤労者世帯だったら貯蓄はけっして減っていないんじゃないか。そう考えることもできますが、もう一つの「フィデリティ退職・投資教育研究所レポート」を見ると現役世代も貯蓄ができていないという数字が出てきます(http://www.fidelity.co.jp/retirement/)。こちらはサラリーマン1万人にアンケートをとったものです。30代男性の貯蓄の平均は329万円。しかし、その中で老後の生活用の資金としてすでに準備できている額がどれだけあるかという設問では、0円という答えが半数以上を占めています。

従来であれば50歳前後で子どもが独立してそれから老後の資金を貯めることもできたでしょうが、晩婚化によって子どもを持つ年齢が上昇しているのでそういうシナリオが成り立たない例も多そうです。現在、母親が第一子を出産する平均年齢は29.7歳であり、35歳を超えて出産をする例が急増しています。フィデリティのレポートでは、現在の30歳代を「トリレンマ世代」と名付け、この世代が50歳代になる20年後には「親の介護費用と精神的肉体的負担」「自分の老後の資金」「子どもの教育資金」の3つを同時にかかえることになるのではないかと懸念を表明しています。

私の周りでも40歳を超えてから父親になったという例がいくつもあります。子どもが成人するときは60歳になっているわけで、今からきちんと計画を立てておかないとつらいはず。少なくとも自分の老後資金と子どもの教育資金はどれくらい必要になるかが見えているので、しっかりとプランを作って万全の備えをしておきたいものです。



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