2011年04月01日
本当の地震対策は水や食料を備蓄することではない。生き残るために何が必要かをまず考えたい
震災の後、全国で保存食を買いだめしようという人が増え、近所のスーパーやディスカウントショップでもカップ麺やレトルト食品、ペットボトルの水などは品切れ状態でした。しかし、そうした災害に向けて備蓄する前にやるべきことがあるのではないか? と問いかけるのが「間違いだらけの地震対策」という本です。
「最低でも3日分の水や食料を用意しておこう」と言われますが、それも生きていればの話です。阪神淡路大震災では、地震発生から2週間で約5500人が亡くなりました。この中で92パーセントの方は地震直後の5~15分に亡くなっています。窒息死が全体の53.9%、圧死が12.4%、そのほかを含めた建物・家具が原因による犠牲者が83.3%を占めるといいます。
地震への備えというと水や食料の備蓄が思い浮かびますが、衰弱・凍死が原因でなくなった方は0.2%にすぎない。しかも、この人たちは建物の下敷きになって発見が遅れたために亡くなりました。そうすると、水や食料が不足して亡くなった方はほとんどいないことになります。
では、地震に備えて何をすべきかは明らかですね。住んでいる建物が地震で壊れないように耐震補強をしたり、家具の下敷きにならないように家具を固定したりする方がはるかに重要です。備蓄を考えるのは補強を終えてからのことです。
「間違いだらけの地震対策」では、具体的なデータを元にして本当に必要な対策が何であるかを明らかにしていきます。上で紹介した内容は本書のごく一部。これからも大きな地震がやってくる可能性は高く、この機会にぜひ地震対策を見直しておきたいものです。私もこの週末、家具を固定する器具を買いに行こうと思います。
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