2011年04月24日

野村AMの通貨選択型ファンドの広告記事が面白かった

普段はFirefoxにAdblockというプラグインを入れ、広告を消してウェブを見ています。しかし、たまたまInternet Explorerで日経電子版を開いてみたところ、広告の多さにびっくりしたのですが、それよりも驚いたのが広告の中身ですね。「通貨選択型ファンド活用法」「ハイイールド債券ファンドの魅力とは?」なんてハイリスク商品の広告が目立ちます。

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特に「通貨選択型ファンド活用法」はその中身が気になるので、最初から最後まで読んでみました(http://ps.nikkei.co.jp/nomuraam/)。日経電子版に掲載するくらいだから、ある程度金融商品の知識がある人向けに書かれています。当然のこと、通貨選択型のリスクの高さも知られているので、「通貨選択型は世間で思われているほどリスクが高いわけではなく、使い方によっては為替リスクを分散する強力なツールになる」という内容になっています。私みたいに「通貨選択型みたいなハイリスク商品を高い手数料を払ってまで買いたくない」という人にはぴったりの広告記事です。

でも、よく読んでみると別の言葉に言い換えているだけ。たとえば、「通貨ファンド型はリスクが“二階建て”」というのは間違いだというところ。「投資対象と通貨の2次元になっているだけで、普通の外債ファンドと構造上、何ら変わりがない」という言葉がありますが、いくら考えても理解できません。「“うんち”じゃなくて“大便”です」というのと同じじゃないの?

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外債だから通貨リスクがあるのは当たり前の話で、しかもその通貨リスクについては米ドルもリスクが高いブラジルレアルに変わっています。しかも投資対象のハイイールド債券ですが、これはジャンクボンド(クズ債券)とも呼ばれていて利回りがいいように見えてもリスクはずいぶんと高いです。

言いたいことは分かりますよ。どの通貨でヘッジするかを選べるので、円でヘッジすれば通貨リスクなしで外債に投資できます。また、米ドルが下落するリスクが怖いなら、ユーロなり豪ドルなり他の通貨でヘッジすればいい。一本の商品で為替リスクを回避しながら外債に投資できます。仕組みをきちんと理解しておけば、確かに利用価値はありそうです。

でも、売る側がそうはなっていないのが問題ですよね。投資対象を見ると「米国ハイイールド債券」「欧州ハイイールド債券」「エマージング債券」「金先物」「原油先物」「新興国インフラ関連債券」とか見た目の利回りが高そうなもの(要するにリスクが高いもの)ばかりです。為替リスクを軽減するための通貨選択型というのであれば、ソブリン債(国債とか)の通貨選択型もやってほしいですね。それで手数料が安ければ投資対象の一つとして検討しなくなくもないかな。

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実際に売れているのは、米国ハイイールド債券のブラジルレアルコースです。これですね(http://www.morningstar.co.jp/FundData/SnapShot.do?fnc=2009012805)。私も複数の方から「銀行でこの種の商品をすすめられたがどう思う?」と相談を受けましたが、通貨選択型の仕組みをまったく理解していないで、みんな「ブラジルの何かに投資している」と思っています。しかも、これを売っているのが銀行の店頭で、満期がきた定期預金の受け入れ先として通貨選択型を売ろうとしています。

こういう現状があるのに「それは商品が悪いのではなく、売り方が悪い」ですませることはできないはず。もし使い方が悪いのであれば、はっきりと「みなさんの使い方は間違っています」と言うべきです。まあ、利回りが高さをアピールするラインナップを見れば、開発する側も利回りの高さで釣ろうという意図で作ったとしか思えないんですけど。

「じゃあ、お前は通貨選択型の商品を買うのか?」と問われれば、外債とか金、原油なんかでそんな大きなリスクを取りたくないし、通貨選択型を駆使して為替リスクを回避するほど多くの資産も持っていません。たぶん手数料が安くなっても買わないなあ、というのが広告記事を読んだ感想です。



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