2011年05月14日
東京電力の企業年金「月40万円」は本当に高いのか
ZAKZAKの「懲りない東電、被災者の人生より社員の老後を優先」という記事を話題になってますね(http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110514/dms1105141514016-n1.htm)。
福島第1原発の事故をめぐり、数兆円に及ぶ巨額の補償を迫られる東京電力の清水正孝社長(66)は13日、参考人として出席した参院予算委員会で、企業年金についての削減は考えていないことを明らかにした。日本航空破たんの際には、企業年金が減額されただけに、増税や電力使用料の値上げが避けられない国民からの反発は必至だ。
記事のこの後で「同社の企業年金は1人月額40万円以上」という一文があり、その額の多さにびっくりした人も多いはず。かりに月40万円で考えれば年間で480万円。厚生年金も含めれば年700万円くらいにはなりそう。「企業年金をもらえることを前提に老後の生活を設計していたのに、後から削減するのはちょっとおかしいんじゃないか」と思っていた人でも、「月40万円」という金額を見れば「減らして当然!」と意見を変えるかも。
しかし、企業年金にもいろいろあるので、この情報だけでは異常に高いかどうか判断は難しい。企業によっては退職金を一時払いするのでなく、年金のように何年かで分割して支払うこともあります。支給期間が5年間だとすれば、月40万円だと約2500万円になるわけで、退職金+αと考えるとけっして高くはありません。
また、企業年金とは言っても会社が原資のすべてを負担するのでなく、従業員が掛金の一部を給与天引きの形で支払っていることもあります。だから、月40万円と言われてもそれが本当に高いかどうかは分からない。全額会社負担の企業年金で、退職金とは別に出る(しかも一生涯)というのであれば、月40万円は異常な金額だと思いますけど。
今回の原発事故、東京電力に大きな責任があるのはもちろんですが、原子力を推進してきた歴代の官僚や政治家も同じように責任があるはず。東電の企業年金の削減を求めるのであれば、官僚OBの年金も削減すべきだろうし、引退した政治家も過去に受け取った報酬を返上してはどうでしょうか。
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