2011年05月18日

「長生きリスク」という言葉に違和感を感じませんか?

「長生きリスク」という言葉があります。「老後のために資金を準備していたけれど、自分が想定していたよりも長生きしてしまったために資金を使い果たしてしまった」というリスクです。だいたい平均寿命(男性80歳、女性86歳)をイメージして資金計画を立てる人が多いと思いますが、100歳を超えて生きる方も少なくはありません。

というか、平均寿命とは「0歳児が平均して何年生きるか」を表すものであり、若くして亡くなる方が数字を押し下げています。60歳の平均余命(60歳の人が平均して後何年生きるか)は男性が22.87年なので、60歳男性にとっての平均寿命は82.87歳ということになります。一方、60歳女性の平均余命は28.46年なので、88.46歳ということになります。ほとんど90歳ですよ。

長い老後をどう安定して過ごすか。そのために資金計画を立てることは重要ですけど、その説明をするときに「長生きリスク」という言葉を使うのはどうなんでしょうか。正確に言えば「長生きによって資金が枯渇するリスク」なんですけど、これを縮めて「長生きリスク」というと長生きが良くないように聞こえませんか。こういう言葉を無神経に使うファイナンシャルプランナーって感覚がにぶいんじゃないかと思います。

もちろん金融の世界で「リスク」と言えば振れ幅の大きさを表すもので、けっして否定的な意味を含んではいません。でも、一般には「リスク=危険」と認識されているはずです。内輪の勉強会なんかで使うならともかく、一般向けのセミナーや解説本で「長生きリスク」なんて言葉はふわさしくないと思います。「老後の資金が不足するリスク」と言えばいいんじゃないでしょうか。

この本は長生きリスクなんて言葉は使っていません。老後の資金の重要性を教えてくれる良書です。

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at 19:36│Comments(0)TrackBack(0)雑記 
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