2012年02月01日

エクセルで家計を分析するもっとも簡単な方法 & エクセルの家計簿を家計管理に役立てるテクニック

家計簿を付けるのは大変な作業だと思われがちだが、エクセルを使うと入力も集計も簡単だ。専用の家計簿ソフトもいいけれど、エクセルなら自分に合わせて費目などを自由できる。また、普段からエクセルを使っている人にとっては、使い方をあらためて学習する必要がないところもすぐれている。

これが私が実際に使っているエクセルのシートだ。入力する項目は「日付」「金額」「メモ」「費目」の4つだ。これらの項目をただシートに入力していくだけで、右側に費目ごとの合計金額が表示される。また、円グラフで費目の割合をつかむのも簡単だ(数値が適当なのは勘弁してください)。

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このシートでは2つの関数(SUM、SUMIF)を使っている。「SUM」はもっとも基本的な関数で合計を求めるもので、今回は支出全体の合計額を求めるために使っている。たとえば、「=SUM(A1:A10)」と入力しておけば、セルA1からA10の範囲にある数字をすべて足し合わせたものが求められる。

だが、家計簿では下に表が伸びていくので、合計するセルの範囲を指定するのが難しい。そこで「=SUM(B:B)」と入力する。「B:B」とは列B全体を意味していて(今回のシートでは列Bに「金額」を入力している)、SUM関数の対象に「B:B」と指定することで列B全体の合計を求められる。

もう一つの「SUMIF」は、指定した条件に合致する数字のみを合計する関数だ。「=SUMIF(範囲,検索条件,合計範囲)」という書式になっている。たとえば、「=SUMIF(D:D,"食費",B:B)」というのは、「列Dが『食費』という条件を満たす行について、列Bの数字を合計する」という意味。要するに費目が「食費」の合計を求めることができる。

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上のシートでセルG5に実際に入力しているのは、「=SUMIF(D:D,F5,B:B)」という式だ。日本語に翻訳すれば「列Dが『F5』という条件を満たす行について、列Bの数字を合計する」となる。セルF5には「食費」と入力しているので、「=SUMIF(D:D,F5,B:B)」は食費の合計を求めていることになる。

なぜ検索条件に「食費」と指定せずに「F5」というセルを指定しているかと言えば、式を入力する手間を軽減できるからだ。あらかじめ列Fに「交通費」「雑費」などの費目を並べておけば、最初にセルG5に入力した式を下のセルにコピーするだけで、他の費目の合計を求める式を作成できる。後から費目の名前を変更したときは列Fの費目リストを書き換えるだけでいいし、費目を追加したときは列Fに新しい費目を入力したあとにセルG5の式をコピーする。

ちなみに式をコピーするときは「オートフィル」という機能を使うと便利だ。先に列Fに費目一覧を入力しておく、セルG5に上の式を入力したら、セルの右下にある「■」にマウスポインターを合わせて下に引っ張る。ドラッグした範囲に式が自動入力されるから、費目の数がどんなに多くても一発で入力が終わる。

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費目ごとの合計一覧が計算できたら、この部分を選択して円グラフを作ってみよう。どの費目の割合が大きいのかが一目で分かる(下のグラフはあくまでサンプルなので、数字は適当です)。

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なお、エクセルの基本的な使い方をすべて書くわけにはいかないので、ここまでの話が理解できない人は、下にあるような入門書で勉強してください。

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PDCAサイクルで家計を改善する

さて、これから家計簿を付け始める人へのアドバイスだ。家計簿を付ける前に、まずは費目ごとの支出が各何円かを予想してみよう。「食費は××円。光熱費は××円。通信費は××円。合計で××円」というように書き出す。そして、1カ月後にその予想と実際がどう違っているかを確認する。

予想と実際がだいたい一致した人なら安心だ。もともとしっかりと家計が管理できている可能性が高い。だが、ほとんどの人は予想と実際に差があるはず。私の場合、「趣味の費用が意外に少ない」「食費が思ったよりもかかっている」「なぜか雑費が異様に多い」という結果だった。「その食い違いがどこから生じたのか」と考えながら家計簿を見直し、どこを節約すべきなのかを検討していくといい。この作業を2~3カ月ほど繰り返すことをおすすめしたい。

ビジネスの世界でよく聞く「PDCAサイクル」を家計管理にも適用するわけだ。

  • P(plan) 計画を作る
  • D(do) 計画を実施する
  • C(check) 結果をチェックする
  • A(act) 改善点を見つけ、最初に戻る

最初の1カ月は1円単位で正確に記入する

家計簿で失敗しないために「1円単位で記入しなくてもかまいません。ざっくりと傾向をつかむだけで十分です」とアドバイスする人がいるが、私は違うと思う。最初の1カ月は1円単位ですべての支出を正確に記録すべきだと思う。

私の場合、リビングに箱を用意して、そこにレシートなどを入れるようにした。レシートが出ない支出(バス代など)は紙に金額を書いたものを入れておく。そして、2~3日に一回の割合でエクセルに入力していった。

大変な作業に思えるが、シートに入力するのは日付と金額、費目、メモだけだから、キー入力に慣れた人ならたいした負担ではない。数分で終わる作業である。私の家庭では1カ月の行数が100~200の間におさまる。家計簿を付け始めて4カ月になるが月200行を超えたことはまだない。

最初の1カ月はがんばって正確に家計簿を付け、2カ月目からは同じように続けるか、自分なりに方法をアレンジして続けるといい。また、1カ月で支出の傾向がつかめたなら、それで家計簿を付けるのをやめてもかまわないと思う。

家計に余裕がないのであれば、家計簿を付けること自体が無駄遣いの防止に役立つ。だが、ある程度の余裕がある人なら、家計の実態がどうなっているかを一度反省してみるだけでも十分に意味があるはず。「家計簿を付けるのが楽しい」と思えるのでなければ、無理して続けることもない。ただし、1カ月だけは実情を正確に把握するために1円単位でしっかりと記録すべきだと思う。

費目は入力しながら最適化していく

実際にデータを入力する上で悩むのが、どんな費目を設定するかだ。家計簿ソフトだと費目が固定されていることが多いが、エクセルなら自由に選べる。あまり細かくしすぎると覚えるのが大変なので、ざっくりとした大まかな分類でかまわないと思う。

私の家計簿ではこんな費目になっている。大まかとは言いながらも、列挙すればかなりの数になる。

食費、外食費、交通費、水道光熱費、通信費、新聞図書費、教養娯楽費、住居費、交際費、医療費、美容被服費、保険料、税金・社会保険料、雑費、臨時費

私は仕事がら本を購入することが多いので「新聞図書費」を独立させたが、人によっては「教養娯楽費」と合わせてもいいだろう。

「美容被服費」とは2カ月目から新設した項目であり、最初は「雑費」に含めていた。1カ月目の家計簿を振り返ったとき、「雑費」の金額があまりに大きく、その中の大きな割合を占めている化粧品や衣料品、美容院などの費用を独立させた(もちろん化粧品や美容院とは妻の支出だ)。

「臨時費」も2カ月目に登場した費目である。冠婚葬祭とか帰省といった臨時費用を雑費に含めると費目ごとの割合が分かりにくくなる。冠婚葬祭を「臨時費」とすると、「友人の結婚式の二次会は『臨時費』か『交際費』か」なんて問題が出てきそうだが、こうした悩みはせいぜい月に2~3回なので、そのときの気分で決めたらいい。

「食費」「外食費」は人によっては分けなくてもいいと思う。その代わりに「アルコール費」(喫煙者なら「タバコ費」)という費目を作るべきかもしれない。また、うちは子どもがいないけれど、子どもがいる家庭なら「教育費」という費目も必要になる。

どんな費目を設けるかは家庭の事情によって違ってくる。入り口で悩むべきではなく、とりあえずは暫定的な費目で開始しよう。家計簿を付けているうちに「これも必要」「こっちは不要」というのが分かってくる。

別の見方をすれば、スタート時は支出の内訳を把握できていないので、どんな費目を設定すればいいのか分かるわけがない。家計簿を付けることで自分の家庭に合った費目を見つけられたときは、すでに家計の管理もしっかりとできるようになっている。

エクセルで家計簿を付ける利点は、費目の最適化が簡単にできるところだ。その最適化作業を繰り返すうちに家計を管理する力も向上していく。



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