2012年03月16日

高脂血症など慢性疾患の薬代を節約する方法。処方箋の書き方を変えるだけで年2万円も節約できた

私は体質的に小さい頃からLDLコレステロール値が高く、心疾患の予防のために1年ほど前から高脂血症の薬を飲み始めた。処方されているのは「メバロチン10(プラバスタチン)」と「エパデール300」の2つ。1カ月分(28日分)の薬代は国保の3割負担で2,410円であり、1年分だと3万1000円とけっこう大きな額になる。

少しでも薬代を節約できないかと考えた結果、年間2万円以上もの節約に成功した。高血圧など他の慢性疾患でも同じ手法が使えるはずだ。

薬剤料以外のコストを減らす

薬局での支払には、調剤料や薬学管理料など薬剤料以外の費用が含まれている。だから、1カ月ごとではなく3カ月分くらいをまとめて処方してもらう。さらに調剤料が安い薬局を探してみる。

薬局が出してくれる明細書を見てみよう。薬を出してもらうたびに「調剤基本料」「薬剤服用歴管理指導料」「内服調剤料」などがかかることが分かる。以前の私の明細書ではこのようになっている。

調剤内容 調剤料(点) 薬学管理料(点) 薬剤料(点)
調剤基本料 40    
基準調剤加算2 30    
後発医薬品調剤体制加算1 6    
薬剤服用歴管理指導料   30  
エパデールS300 3包 分3 28日     420
内服調剤料 81    
プラバスタチンNa10 アメル 1錠 分1 28日     112
内服調剤料 81    
後発医薬品調剤加算 2    
合計 240 30 532

1点が10円だから、薬剤料以外のコスト(調剤料と薬学管理料)が2700円(240点+30点)ということになる(3割負担だと810円)。つまり、薬を出してもらうたびに薬の他に810円がかかるわけで、薬局に行く回数を減らせば出費も減らせる。年12回を年4回にすれば、それだけで年6000円以上の節約だ。

内服調剤料は31日以上だと一律89点だから、医者と相談してなるべく長い期間で処方箋を書いてもらえば良い。以前は処方日数の制限があったけれど、現在では向精神薬など一部の例外を除いて日数の制限が撤廃されている。理屈の上では1年分をまとめて処方してもらうことも可能だ。

ただし、つねに長期の処方ができるとは限らない。私の場合、高脂血症の治療とは言っても心疾患を発症しているわけではなく、毎月医師の診察を受ける必要はない。また、今まで1年くらい飲み続けてきた薬なので、今から重大な副作用が出る可能性も低い。処方の期間を延ばすのは医師と相談の上ということになる。

長期の処方は薬代だけでなく、病院に支払う診療費も節約できるし、クリニックへ行く手間も軽減される。3カ月に1回くらいのペースで通えば医者にも顔を忘れられずにすむので、コストの面でも安心の面でも一番じゃないかと思う(もちろん病状によりますよ)。

薬局によって調剤料が違う

「保険を使った調剤であればどこの薬局でも値段は同じ」というのは間違いだ。薬剤料は同じでも、調剤料など他の部分で差が生じる。

私の明細書では「基準調剤加算2 30点」という項目がある。これは一定の基準(在庫する医薬品の数など)を満たした薬局は、調剤基本料に点数を上乗せできるというもの。要するに品揃えがいい薬局は調剤料が高い可能性があるということだ(品揃えがよくても基準薬局の届出をしていない薬局も一部にはある)。

在庫がない医薬品でも取り寄せてもらうことは可能だから、基準薬局ではない薬局を探せば「基準調剤加算」の10~30点(3割負担なら30~90円)を節約できる。基準薬局かどうかは看板などに掲示してあるはずだ(分からなければ店先で「ここは基準薬局ですか?」と聞いてみればいい)。

また、大部分の薬局は調剤基本料が40点(3割なら120円)だが、「月4000回超かつ集中率70%超の保険薬局」は24点(3割なら72円)である。特定の医療機関からの処方箋を大量に扱う薬局(たとえば、大病院の近くにある薬局など)は調剤基本料が安い。

他にも「薬剤情報提供料」「長期投薬情報提供料」「服薬情報提供料」などが加算されていることもある。「薬剤情報提供料」はいわゆる「お薬手帳」に処方内容を記載したときに請求される。何年も同じ薬を飲み続けている場合は不要だろう。明細を受け取ったとき、不明な項目があったときはその内容を確認することをおすすめしたい。

ちなみに調剤報酬点数表は日本薬剤師会のウェブサイトなどで見られる。
http://www.nichiyaku.or.jp/action/wp-content/uploads/2011/02/h22_point.pdf

ジェネリック医薬品でもメーカー間で値段の差が大きい

効能が同じで値段が安い「ジェネリック医薬品(後発品)」に切り替えれば、薬代が安くなることは広く知られている。だが、ある一つの薬に対して、さまざまなメーカーがジェネリック医薬品を発売していて、メーカーごとに薬価が違っていることは知られていないようだ。

私の場合、先発品の「エパデールS300(持田)」と後発品の「プラバスタチンNa錠10mg(共和)」の2つが処方されていた。エパデールは後発品の「エパロースカプセル300mg(共和)」に切り替えることで、1カ月分の薬剤料を3920円から1400円まで引き下げられた(以下、1カ月分は28日分。薬剤料は10割、1点10円で表記する)。

もうひとつの「プラバスタチンNa錠10mg(共和)」は最初からジェネリック医薬品だった。先発品の「メバロチン錠10(第一三共)」の1カ月分が3080円であるのに対し、後発品の「プラバスタチンNa錠10mg(共和)」は1120円である。これでも十分に安いように思える。

しかし、メバロチンの後発品は20社以上から発売されていて、もっとも安い「プラバスタチンナトリウム錠10mg「NP」(ニプロ)」だと1カ月分がわずか560円で済む(10割の値段)。

どの薬についてもジェネリック医薬品の選択肢が豊富なわけではない。同じ高脂血症であっても比較的最近に登場した「リピトール」の場合、5社から後発品が発売されているが、いずれも薬価は同じである。「リバロ」や「クレストール」のように後発品自体が未発売の薬もある。自分の服用している薬にどのような後発品があり、薬価がいくらであるかは、「おくすり110番」(http://www.jah.ne.jp/~kako/)の「薬価サーチ」から調べられる。

薬剤費の計算方法はちょっと複雑だ。たとえば、「エパロースカプセル300mg(共和)」の薬価は18.3円である。これを1日3回1錠ずつ飲むのだが、1カ月分の薬剤費を18.3円×3×28=1537.2円と計算するわけではない。

(1)1調剤ごとに1日分の値段を計算する(18.3円×3=54.9円)
(2)1日分の値段を五捨五超入して点数を出す(54.9円→50円→5点)
(3)日数をかけて合計を出す(5点×28=140点→1400円)

何十社もあるジェネリック医薬品がすべて薬局に在庫されているわけではないので、「このメーカーのこの名前の薬を出して欲しい」と指名買いすることになる。取り寄せが必要になるので、薬局にとっては「面倒な客」と思われるはず。だから、わがままを言いやすいように、かかりつけの薬局を作っておくといい。

また、メーカーを決めて指名買いするときは、100錠単位になるように医者に処方箋を書いてもらう。薬の多くは100錠単位で包装されているため、28日分といった処方箋であれば余りが出てしまう。他の人には売ることができない半端な在庫を薬局側で抱えてしまうわけだ。100日分の処方箋なら取り寄せた分をそのまますべて販売できるので、薬局としてもムダな在庫を持たずに済む。薬局と良好な関係をたもつには、これくらいの配慮をしてもいいだろう。

医師に「100日分で出してください」とお願いしたときは「え? 100日?」と言われたが、上で書いたような話をしたところ、「確かにそうだ」と100日で処方箋を書いてくれた。こういう要求が通るのも、今まで何年も通い続けたおかげだと思う。

これらの対策のおかげで、100日分の明細は以下のようになった。以前は28日分で2410円だったのが、100日分の処方にもかかわらず自己負担は2960円である。1年分になおすと約3万1400円→約1万800円だから、2万円以上の節約に成功したことになる。

調剤内容 調剤料(点) 薬学管理料(点) 薬剤料(点)
調剤基本料 40    
基準調剤加算2 30    
後発医薬品調剤体制加算1 6    
薬剤服用歴管理指導料   30  
エパロースカプセル300 3Cap 分3 100日     500
内服調剤料 89    
後発医薬品調剤加算 2    
プラバスタチンNa10 NP 1錠 分1 100日     200
内服調剤料 89    
後発医薬品調剤加算 2    
合計 258 30 700

くすりの事典―病院からもらった薬がよくわかる〈2012年版〉 くすりの事典―病院からもらった薬がよくわかる〈2012年版〉
小林 輝明

成美堂出版 2011-05


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。