2012年08月07日

民間の個人年金保険で、国民年金と同水準の年金を受け取ろうとすると、2倍の保険料が必要になる!

「年金なんてもらえないに決まってる。だから私は国民年金を払わないで自分で積み立てる」という方がいらっしゃいます。ならば、民間の個人年金保険に加入して、国民年金と同じ水準の年金を受け取るには、月々どれくらいの保険料を支払えばいいのか。某生命保険会社から見積もりをとってみました。

条件は次の通りです。

35歳・男性
保険料払い込みは60歳まで25年間
年金受け取りは65歳から終身
年金額は年50万円

想定しているのは「国民年金未加入の35歳フリーランス」です。今から国民年金に加入すると加入期間は25年ですから、現在の水準が続くとすれば65歳から年49~50万円の老齢基礎年金を受け取ることになります。

民間の保険の見積もりもこれに合わせたら、月々の保険料は約2万9000円とのことでした。国民年金の保険料が現在は月1万4980円だから、民間のほぼ半分の負担ですむことになります。

国民年金(基礎年金)の運営財源は保険料が半分、国庫負担(要するに税金)が半分となっています。だから、国民年金の保険料が民間の半分に落ち着くのも自然なところかもしれません。

ただし、国民年金と民間ではいろいろ違いがあり、単純に横並びでの比較というわけにもいきません。それぞれのすぐれたところを列挙してみます。

国民年金の利点

  • 年金受給額は物価や賃金にスライドする。将来的にインフレで物価が上昇すれば、受け取れる年金の額も増える。
  • 遺族給付や障害給付もある。保険料が未払いだと遺族年金や障害年金は受け取れない。
  • 保険料は全額が所得控除の対象となるので、その分だけ税金(所得税や住民税)が安くなる(民間の年金保険は年4万円が上限)。

民間の年金保険の利点

  • 民間の年金保険は貯蓄性があり、途中で解約すれば払戻金を受け取れる。ただし、短期で解約すると、払込額を下回る額しか戻ってこない。
  • 被保険者が死亡したときは、遺族が死亡給付金を受け取れる。生命保険を補完する役割も持っている(国民年金にも死亡一時金があるが最大でも32万円)。
  • 保証期間がある。保証期間が10年の場合、、65歳で受け取りを始めて70歳で亡くなったとき、遺族は残り5年分を受け取れる。

民間の保険にも利点がありますが、老後の生活設計という視点から見ると国民年金以上に有利な金融商品は見当たりません(もしもっといい商品があれば教えてください)。

「長生きをしたい」という気持ちがあなら、国民年金はきちんと払っておきたいところ。それで足りないところを補うために、民間の保険を活用すべきだと思います。まあ老後資金の積み立てなら民間の保険よりも、小規模企業共済とか国民年金基金とか個人型確定拠出年金などの制度を先に使った方がいいんですけどね。

国民年金の損得については、以下の記事もご覧ください。

「若い世代は国民年金は払い損」はウソ。フリーランスなら未加入の方が損をする

http://moneylab.ldblog.jp/archives/51838503.html
だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方 だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方
鈴木 亘

東洋経済新報社 2009-01

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