2012年12月11日

年収150万円でフリーランスは自由に生きていけるか?

「年収150万円で僕らは自由に生きていく」という本が話題になってるようです。私はこちらのサイトの書評を読んだだけですが(http://www.lifehacker.jp/2012/12/121203book-to-read.html)、「年収150万円」についてフリーランス歴13年の立場から書いてみたいと思います。

年収150万円が通用するのは若くて健康な間だけ

私も20歳代のときは月15万円で十分に生活できると思っていました。でも、それが可能なのは若くて元気なときだけです。「結婚して子どもができたら」「家族が病気やケガで介護が必要になったら」「自分自身が病気やケガで働けなくなったら」「年金をもらう年代になったら」と考えれば、とても月15万円とか年150万円では足りませんよね。

フリーランスという立場で考えたとき、「年収」が何を指すのかも重要になります。売上が150万円なのか、手取り(可処分所得)が150万円なのか。たとえば、国民年金だけでも年で18万円くらいになります。他にも国民健康保険とか住民税とか払わなければならないので、売上が150万円であれば手取りは130万円を切るでしょうか。すると月10万円で生活することになります。

150万円が手取りを指すとしても、かなりきつい生活になると思います。月12~13万円であれば、将来に備えて貯金する余裕もないですよね。フリーランスは退職金がありませんし、国民年金だけで生活するのは無理なので、ずっと働き続けることになります。そして、働けなくなったところで生活保護のお世話になるしかありません。

だから、もし「年150万円をかせげばいいのか」と考えてフリーランスになるとすれば、それは自殺行為に等しいです。あくまで私の感覚ですが、今の日本で結婚して子どもを持とうとするなら、売上が最低でも500万円はほしいところです。これは経費がほとんどかからないライターの場合で、経費がかかる業種ならそれを上乗せする必要があります。

かせぐスキルがなければ自由になれない

もちろん年500万や年1000万円を売り上げるスキルがあって、それで「年150万円しか働かない」という道を選択するならいいと思います。フリーランスをやっていると「かせげるうちにいっぱい仕事をしないと」「この仕事を断ると次はこなくなるかも」みたいな不安があって、どうしても無理に仕事を受けてしまうことがあるんですよね。そんなときに「年収150万円で自由に生きよう」という考え方を思い出すのは良いことかもしれません。

しかし、会社づとめに嫌けがさして「フリーランスになろうか」なんて考えている人が、「年150万円」と低い目標でフリーランス生活を始めると失敗する可能性が高いと思います。そもそも、この本の筆者が年収150万円じゃありません。もっとかせげるだけのスキルがあって、その上で「こう考えればもっと自由になれるよ」と言っているわけです。

批判的な見方ばかりしてきましたが、「金より、つながり!」という指摘はとても重要だと思います。何でも自分でやろうとするから大変なのであって、いざというときに助け合えるパートナーや親戚、友だち、同業者、お隣さんなどがいれば不安感は軽減されそうです。でも、助けてもらうことを前提にして年収が低くても大丈夫と言い切るのはちょっと違う気が。

読んでいない本について書くのはどうかと思いましたけど、年収150万円という数字が一人歩きしそうなのでコメントしてみました。そういえば、何年か前に「年収300万円」という本もヒットしましたが、あれも会社員でこそ成り立つ話ですね。会社員のような保障がないフリーランスだと年300万円でも厳しいです。



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