2012年08月07日

セミナー「フリーランスの年金・保険活用術」(8月7日開催)のリンク集

8月7日のセミナー「フリーランスの年金・保険活用術」で紹介したデータや制度のリストです。より詳しい情報が必要な方は、以下のリンクを参照ください。

病気やケガのリスクを知るために

厚生労働省「患者調査」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/10-20.html

厚生労働省「医療保険データベース」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/

厚生労働省「生命表」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life11/

生命保険文化センター「生活保障に関する調査」
http://www.jili.or.jp/research/report/chousa10th.html

がん研究振興財団「がんの統計」
http://www.fpcr.or.jp/publication/statistics.html

老後の生活安定のために

国民年金基金
http://www.npfa.or.jp/

個人型確定拠出年金
http://www.npfa.or.jp/401K/

小規模企業共済
http://www.smrj.go.jp/skyosai/



民間の個人年金保険で、国民年金と同水準の年金を受け取ろうとすると、2倍の保険料が必要になる!

「年金なんてもらえないに決まってる。だから私は国民年金を払わないで自分で積み立てる」という方がいらっしゃいます。ならば、民間の個人年金保険に加入して、国民年金と同じ水準の年金を受け取るには、月々どれくらいの保険料を支払えばいいのか。某生命保険会社から見積もりをとってみました。

条件は次の通りです。

35歳・男性
保険料払い込みは60歳まで25年間
年金受け取りは65歳から終身
年金額は年50万円

想定しているのは「国民年金未加入の35歳フリーランス」です。今から国民年金に加入すると加入期間は25年ですから、現在の水準が続くとすれば65歳から年49~50万円の老齢基礎年金を受け取ることになります。

民間の保険の見積もりもこれに合わせたら、月々の保険料は約2万9000円とのことでした。国民年金の保険料が現在は月1万4980円だから、民間のほぼ半分の負担ですむことになります。

国民年金(基礎年金)の運営財源は保険料が半分、国庫負担(要するに税金)が半分となっています。だから、国民年金の保険料が民間の半分に落ち着くのも自然なところかもしれません。

ただし、国民年金と民間ではいろいろ違いがあり、単純に横並びでの比較というわけにもいきません。それぞれのすぐれたところを列挙してみます。

国民年金の利点

  • 年金受給額は物価や賃金にスライドする。将来的にインフレで物価が上昇すれば、受け取れる年金の額も増える。
  • 遺族給付や障害給付もある。保険料が未払いだと遺族年金や障害年金は受け取れない。
  • 保険料は全額が所得控除の対象となるので、その分だけ税金(所得税や住民税)が安くなる(民間の年金保険は年4万円が上限)。

民間の年金保険の利点

  • 民間の年金保険は貯蓄性があり、途中で解約すれば払戻金を受け取れる。ただし、短期で解約すると、払込額を下回る額しか戻ってこない。
  • 被保険者が死亡したときは、遺族が死亡給付金を受け取れる。生命保険を補完する役割も持っている(国民年金にも死亡一時金があるが最大でも32万円)。
  • 保証期間がある。保証期間が10年の場合、、65歳で受け取りを始めて70歳で亡くなったとき、遺族は残り5年分を受け取れる。

民間の保険にも利点がありますが、老後の生活設計という視点から見ると国民年金以上に有利な金融商品は見当たりません(もしもっといい商品があれば教えてください)。

「長生きをしたい」という気持ちがあなら、国民年金はきちんと払っておきたいところ。それで足りないところを補うために、民間の保険を活用すべきだと思います。まあ老後資金の積み立てなら民間の保険よりも、小規模企業共済とか国民年金基金とか個人型確定拠出年金などの制度を先に使った方がいいんですけどね。

国民年金の損得については、以下の記事もご覧ください。

「若い世代は国民年金は払い損」はウソ。フリーランスなら未加入の方が損をする

http://moneylab.ldblog.jp/archives/51838503.html
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2012年07月15日

「若い世代は国民年金は払い損」はウソ。フリーランスなら未加入の方が損をする

「現在の40代より下の世代は、年金は数千万円の払い損。保険料として支払った額よりも年金として将来受け取る額の方がずっと少ない」という話があります。だから、フリーランスの方の中には「国民年金は払わないよ。自分で積み立てた方がいい」と言う方が少なくないようです。しかし、「国民年金が払い損」というのは間違いです。

払い損は厚生年金の話。国民年金1号の収支はプラス

世代間格差で若者が損をするという話は、内閣府経済社会総合研究所の「社会保障を通じた世代別の受益と負担」という論文に出てきます(http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis290/e_dis281.html)。確かにその中には公的年金について「1960年生まれ以降では生涯収支がマイナス」になるという記述がありますが、もう少し読み進めると年金別の話が出てきます。そこでは「公費負担の大きい国民年金1号被保険者の受益超過となっている」という記述が。

要するに収支がマイナスになるのは厚生年金や共済年金であって、フリーランスや自営業者が加入する国民年金1号についてはプラスになるという試算です。下にグラフを貼り付けますが、国民年金1号はどの世代もわずかながらプラスになっていますね。

image

国民年金(基礎年金)については、加入者の保険料だけで運営されているのでなく、国が2分の1を負担しています。厚生年金には税金が投入されていないのでマイナスですが、国民年金の半分は税金が投入されていてプラスになります。別の見方をするなら、国民年金に加入していない人も税金を通じて国民年金を支えているわけで、加入しないということは税金分の受給する権利をみずから放棄するようなものです。

障害年金や遺族年金がもらえないことも

国民年金は老後のためのもとの考えられていますが、未加入でいると障害年金や遺族年金を受け取ることもできません。もしケガや病気で働けなくなった場合、国民年金の保険料を支払っていれば障害年金(1級が年100万円弱、2級が年80万円弱)をもらえる可能性がありますが、未加入や未払いの状態では何ももらえません。

さらにフリーランスや自営業者向けに、老後の生活資金を用意する制度として「国民年金基金」(http://www.npfa.or.jp/)や「個人型確定拠出年金」(http://www.npfa.or.jp/401K/)が用意されています。これも国民年金に未加入や未払いだと利用できません。これらの制度の掛金は全額が所得控除の対象なので、節税分だけ掛金が安くなると考えれば利回りはかなり高いものになります。自分で運用するよりもこれらの制度を利用した方が絶対に確実だしおトクです。

それでも「年金は破綻するに違いない」という考えから抜け出せない方は、ぜひこちらの記事「年金制度は崩壊しない! 確実にもらえる3つの理由」(http://allabout.co.jp/gm/gc/391475/)をご覧ください。

年金を損得で語るべきじゃないとは思いますが、フリーランスや自営業者には保険料を強制徴収する仕組みがない以上、損得の面を無視しても説得力はありません。少なくとも国民年金(第1号被保険者)については、数字を見る限りけっして不利な制度ではありません。

 

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フリーランスにおすすめ。「ひかり電話」なら3つ以上の電話番号を持つのも簡単

自宅で仕事をするフリーランスであれば、個人用の電話番号の他に、仕事用やFAX用の電話番号があれば便利なもの。それぞれ別々に電話回線を引くと、3回線なら基本料金だけでも5000円前後になります。また、集合住宅では回線を増やすことができないことも。

そこでおすすめしたいのが、NTT西日本/東日本が提供しているIP電話サービス「ひかり電話」です(http://flets.com/hikaridenwa/)。仕事用の電話番号を増やす方法としては信頼性が高く、おそらくコスト面でももっとも安くすむと思います。

「ひかり電話」は光ファイバ「フレッツ光」のオプションであり、月額基本料525円(フレッツ光の利用料は別途必要)でこれまでの加入電話と同じように使えます。IP電話と言えば「050」で始まる電話番号を思い浮かべますが、ひかり電話は「03-1234-5678」の形式です。MNPでこれまで使っていた電話番号を引き継ぐことも可能です。

ひかり電話のオプションの「マイナンバー」を契約すれば、月105円で追加の電話番号をもらえます。最大5つまで電話番号を増やせます(http://flets.com/hikaridenwa/service/mynumber.html)。メインの電話番号についてはMNPで現在の番号を引き継ぐことが可能ですが、残念ながら2つ目以降の番号はMNPできません。新しい番号に変わってしまいます。

家族やスタッフの数が多いときは、オプションの「ダブルチャネル」(月210~420円)も契約しておきましょう。標準の状態では複数の電話機をつないでも、通話ができるのはどれか一台だけ。ダブルチャネルを付けると同時に2台で通話できます。

ひかり電話で3つ以上の電話機をつなぐ方法

3つ以上の電話番号を使うときに問題になるのが、どのように電話をつなぐか。「ひかり電話」では専用のアダプタに電話機をつなぎますが、アダプタには2台しか電話機をつなげません。3台目以降の電話機をつなぐには、次のような方法があります。

  1. IP電話機を使う(ひかりパーソナルホン「WI-200」など)
  2. スマートフォンにIP電話アプリを入れる(「AGEphone」など)
  3. モデムダイヤルイン対応機器を使う

いちばん良いのがIP電話機を使う方法ですが、値段が高いところが難点です。安価な製品がなくはないんですけど、NTTが動作保証していないし、正しく動作するようにうまく設定するには知識が必要です。

安くすませるには、スマートフォン(iPhoneやAndroid機)に「AGEphone(エイジフォン)」というアプリを導入します(http://www.ageet.com/download.htm)。あらかじめ無線LANを導入しておき、スマートフォンを無線LANでつなげば、スマートフォンをコードレス電話のように使えます。

ただし、この方法にはひとつ大きな欠点があり、動作が不安定なのです。気づかぬうちにアプリが異常終了していて、電話を受けられないなんてこともしばしば。

安定性では3つ目の方法です。モデムダイヤルインに対応した電話機(子機付き)を利用すると、「電話番号1にかかってきたときは親機を呼び出し、電話番号2なら子機1、電話番号3なら子機2」と電話番号と電話機を対応付けることができます。うちではパナソニックの「VD-GD51DL」(http://panasonic.jp/phone/gd51/)という電話機を使っています。

しかし、この方法にも難点があります。こちらから発信するとき、相手に通知される電話番号はどれかひとつに決まってしまうのです。どの番号を通知するかは、ひかり電話のアダプタで指定するようになっています。また、鳴り分けはできますが、着信履歴や留守番応答などはすべての番号で共通になります。

いろいろ迷った結果、うちでは2と3の方法を組み合わせることにしました。着信には信頼性が高いモデムダイヤルインの電話機を使い、番号を通知して発信するときはスマートフォンのアプリを利用しています。

 

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2012年07月02日

FP技能士試験の「6つの係数」は図を使うと覚えやすい

FP技能士試験の教科書に「6つの係数」というのが出てきます。テストには必ずと言って良いほど出てくるトピックですが、係数の意味を覚えるのが大変です。いろんな覚え方があるようですが、文字だけでは係数の意味を理解するのも難しい。しかし、図にすると係数の意味が直感的に分かるし、係数の名前も覚えやすくなります。

終価係数 現在の資金を複利運用すると将来いくらになるかを求める
現価係数 将来の目標金額を複利運用で得るために現在必要な額を求める
年金終価係数 複利運用しながら毎月一定額を積み立てると将来いくらになるかを求める
年金現価係数 複利運用しながら一定の年金を受け取るために現在必要な額を求める
減債基金係数 目標金額を達成するために一定額を積み立てる場合の積立額を求める
資本回収係数 現在の資金を複利運用しながら取り崩すときの受取額を求める
(※)表内の説明が間違っていたので修正しました(2012年10月30日)

 6つの係数
 

横軸が時間で、縦軸が資産の大きさです。たとえば、「定額の運用」の図では、左端が運用のスタートです。時間の経過につれて利息が付き、資産は大きくなっていきます。右端が運用の結果です。「積み立て」では資産ゼロからスタートして、毎年少しずつ積み立てていきます。反対に「取り崩し」は最初に大きな金額を預け入れます。運用しながら少しずつ取り崩していき、最後には資産がゼロになります。

複利運用の場合、斜めの線が曲線になります。大まかなイメージをつかむためのもので、細かいところが不正確なのはご容赦ください。

「定額の運用」「積み立て」「取り崩し」の3つに分類して覚える

まずは係数の名前の覚え方です。

  1. 6つの係数は「定額の運用」「積み立て」「取り崩し」の3つに分けられます。
  2. 左に来る元本/原資を求めるのが「現価」、右に来る運用成果を求めるのが「終価」です。積み立てと取り崩しでは頭に「年金」が付きます。
  3. 毎年の取り崩し額(受け取り額)を求めるのが「資本回収」です。受け取りだから「回収」です。残ったひとつが、毎年の積み立て額を求めるのが「減債基金」です。

覚えにくさの原因の一つが「減債基金係数」です。「『積み立て』で増えていくはずなのに、『減債基金』だったら減っていくのでは?」と思われるかもしれません。これは係数の由来を知れば理解できます。

「減債基金」とは債券(国債や社債など)を返すために積み立てる基金のことです。債券とは国や会社が発行する借金の証書だと考えてください。たとえば、1000万円を借りた会社が「10年後に借金1000万円を返します。10年間は毎年100万円ずつ利息を支払います」といった証文を発行します。こうした証書を国が発行すれば「国債」ですし、会社が発行すれば「社債」です。

借りてから1~9年目は毎年100万円の利息だけ払えばいいんですけど、10年後には元本1000万円を丸ごと返す必要があります。一気に1000万円を用意するのは大変なので、借金を返すために計画的に返済資金を積み立てていく必要があります。その積み立てた資金が「減債基金(借金を減らすための基金)」であり、毎年の積み立て額を求めるために使うのが「減債基金係数」です。

もともとは会社が借金の返済をスムーズに進める目的で登場した係数なので「減債基金係数」という名前が付いています。しかし、単純に個人の資金計画で「目標金額を達成するには毎年(毎月)の積立額はいくら必要?」という計算にも「減債基金係数」を使えます。

つねに図を見ながら「パターン」「求める対象」を考える

次は問題の解き方です。

  1. 最初に3つの図を書いて、問題がどのパターン(定額の運用、積み立て、取り崩し)に当てはまるかを判断します。問題によっては、「借り手と貸し手を入れ替える」といった操作が必要になることがあります。
  2. 次に何を求めるかを探しましょう。
    「運用の結果(将来いくらになるか)」であれば図の右側(終価、年金終価)です。
    「運用の原資(現在いくら必要か)」であれば図の左側(現価、年金現価)です。
    「定期的な受け取り額」であれば「資本回収係数」です
    「定期的な積み立て額」であれば「減債基金係数」です。

実際の問題で見てみましょう。

(問題1)
10年後に子どもの学費500万円を用意したい。利率1%で複利運用する場合、毎年の積み立て金額を求めるためには( )係数を利用する。

(1)パターンは「積み立て運用」。上からの2番目の図ですね。
(2)求めるのは「定期的な積み立て額」なので、答えは「減債基金係数」です。積み立てなのに「減債」というところに違和感がありますが、そういうものだと覚えるしかありません。

(問題2)
年1.5%で複利運用できる金融商品がある。5年後に300万円が必要なとき、現時点で必要な運用額を求めるには( )係数を利用する。

(1)パターンは「定額の運用」。いちばん上の図です。
(2)求めるのは「運用の原資」。答えは図の左側の「現価係数」です。

(問題3)
1000万円の住宅ローンを「返済期間10年、金利3%(固定)」の条件で借りた。毎年の返済額を求めるには( )係数を利用する。

これは、ちょっとひねりがきいていますね。住宅ローンの借り手ではなく、貸し手の立場から問題を読み替えると、「1000万円を住宅資金として貸し出した。条件は期間10年、金利3%。毎年受け取れる額はいくら?」となります。すると…

(1)パターンは「取り崩し」。上から3番目の図ですね
(2)求めるのは「定期的な受け取り額」です。答えは「資本回収係数」です。

どうして返済額を求めるのに「資本回収係数」なんだ?と思われるかもしれません。それは、借り手と貸し手のどちらから見るかで違ってきます。銀行の立場から見れば「1000万円を3%で運用して、10年をかけて取り崩している」ことになります。

(おまけ)係数の表とエクセルの関数

ちなみに係数の表はこんなかんじです(下の例は資本回収係数)。縦軸の10と、横軸の3%の交点を見ると資本回収係数は「0.1172」です。つまり、1000万円を「10年、年3%」で貸し出したとすると、毎年受け取れる額は「10,000,000×0.1172=1,172,000」で求められます。

image

現在ではエクセルの財務関数を使えば積立額や受取額などを簡単に計算できるため、係数表を使うことは少なくなりました。係数と関数の対応は次のようになっています。

終価係数/年金終価係数 FV(Future Value)関数
現価係数/年金現価係数 PV(Present Value)関数
資本回収係数/減債基金係数 PMT(Payment)関数

たとえば、上の住宅ローンの問題では次の式で求められます。エクセルをお持ちの方は下の式を入力すれば、上の係数で求めたのと同じ答えが得られるはずです。なお、エクセルでは1円単位まで計算してくれるので、係数よりも正確な数字を求められます。

=PMT(3%,10,10000000)

PMT関数のカッコの中は次の要素(引数)を指定します。

=PMT(利率, 期間, 現在価値, [将来価値], [支払期日])
[将来価値][支払期日]は省略できる
利率と期間は単位(年、月)を統一する

エクセルの財務関数の引数で「現在価値」「将来価値」の意味が分からない方は、上の図に戻ってください。左側の現価係数に当たる部分が「現在価値」、右側の終価係数に対応する部分が「将来価値」です。

「年利1.3%で複利運用できる金融商品がある。7年後に100万円が必要な場合、毎年必要な積み立て額は?」という問題があった場合、上から2番目の図になりますね。「現在価値」は左端なので「0」、「将来価値」は右端で「100万円」です。よって次の式で答えを求められます。

=PMT(1.3%,7,0,1000000)

PMT関数は本来は「支払額」を求める関数ですが、現在価値と将来価値の数字を組み合わせることで「積立額」を求めることもできます。

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前田 信弘

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2012年07月01日

「フリーランスは毎年人間ドックを受けるべき」は本当か?

「フリーランスは体が資本。だから、人間ドックは受けるべき」という意見をよく聞きます。経済的に余裕があるなら受けた方が良いのでしょうが、20代や30代ではわざわざ高額な人間ドックを受ける必要はないのではないかと考えています。自治体が実施している健康診断、もしくは献血のサービスとして受けられる血液検査でも十分かもしれません。

検診を受けない医師も少なくない?

昨年に私の父が肺ガンと診断されて依頼、医者と会う機会があるたびに「先生はどの程度のガン検診を受けていますか?」と聞くようになりました。「ガン検診を受けるべきですか?」ではなく、「自分でガン検診を受けていますか?」と聞くところがポイントです。PETを使うような高度なガン検診を受けている医者が多いのかと想像していましたが、意外にもそうした医師は少ないようです。サンプル数は少ないので一般化はできませんが、ガン検診自体を受けていない方もいました。

私の父の主治医もガン検診を受けないと答えた一人です。その理由を聞いてみると、「検診自体が大きなストレスになる」「何らかの症状があらわれてからの検査でもいいと思っている」とのこと。先生は「これは私の考え方ですから」と強調されていました。人によっては「検診を受けた方がすっきりする」と感じるかもしれません。

さらに「私の父みたいに見つかったときはもう手遅れなんてこともあるのでは?」と聞いてみると、「ずいぶん前から血痰が出てたみたい。そのときに検査をしていれば違ったかも」という答え。父は同時期に受けた肺ガン検診ではガンが見つからなかったため、血痰が出たことを「大したことではない」と考えて医師にも伝えていなかったようです。

30代以下は病気にかかるリスクが小さい

ガンの実態を知る上で参考になるのが、がん研究振興財団による「がんの統計」です(http://www.fpcr.or.jp/publication/statistics.html)。この中で「累積がん罹患・死亡リスク」という表があります(http://www.fpcr.or.jp/pdf/statistics/fig09.pdf)。

30代以下の男性では、何らかのガンに罹患する割合は0.9%です。この割合が急上昇するのは50代以降であり、60代では19.1%、70代では37.0%にもなります。「30代以下は100人に1人未満」という数字をどう判断するかは人によって違うでしょうが、私はあまり心配するほどの数字ではないと見ました。むしろ60代、70代の数字の大きさに驚いています。

一方、女性は30代以下の罹患率が1.9%と大きく、男性の2倍以上です。これは乳ガンや子宮ガン、卵巣ガンなど女性特有のガンが比較的多いため(その結果、一般的にはガン保険や医療保険の保険料は男性の方が高いのですが、30代だと女性の方が高くなることもあります)。

ここまでガンにしぼって話をしてきましたが、ガンの他にも心疾患や脳卒中など深刻な病気があります。これもガンと傾向は似ていて、年齢が上がるほどリスクが高くなっていきます。30代以下では家族性の高脂血症であるとか、糖尿病をわずらっているような人をのぞいて、シビアに考えることもないと思います。

病気の実態を把握するには、厚生労働省が実施している「患者調査」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/10-20.html)が参考になります。ガンの統計値と違って年齢区分が大ざっぱなのですが、心疾患や脳卒中の患者数は65歳以上がやはり多く、15~34歳はほとんどゼロに近い数字です。

人間ドックよりも先にすべきことがたくさんある

以上が「30代以下の場合、毎年高額の人間ドックを受ける必要はない」と考える理由です。健康診断を否定するわけではありません。「小さいリスクについて多額の費用(および時間)をかける価値があるのか」を考えた上で、それでも必要だと思えるなら受ければいいと思います。リスクが小さいとは言ってもゼロではないので、受けた方がスッキリするのであれば受けた方がいいでしょう。

40代以降でも考え方は同じです。私が受けているのは、自治体が実施している特定健診(いわゆるメタボ健診)とガン検診(肺ガンと大腸ガン)だけです。自費の人間ドックを受診するかはかなり悩みましたが、今のところは受診していません。10万円近い費用がもったいないのもありますし、検査自体にもリスクがあるためです(特に内視鏡)。

その代わりというわけでもありませんが、普段から体の調子をよく観察して、異変があれば早めに医療機関に相談する。また、暴飲暴食を避けるのはもちろん、バランスのとれた食事や規則的な生活をおくるように心がけています。

しかし、健康に生きるためにもっとも重要なポイントはおそらく、ストレスを減らすことでしょう。フリーランスにとっては仕事のやり方を見直すことも、健康を維持する上で避けて通ることはできないのかもしれません。

なお、歯科検診だけは自費であっても20代から受けるべきだと思います。怖いのは虫歯ではなく「歯周病」です。歯周病は自覚症状がないうちに進行し、気がついたときは歯を支える骨が減っていたなんてこともあります。もし私が20年前に戻ることができるなら、「歯が痛くなくても定期的(半年から一年に一度)に歯医者に行って、歯石を除去してもらえ」とそのときの自分に言いたいです。


健康診断・人間ドック「気になる」疑問 (角川oneテーマ21) 健康診断・人間ドック「気になる」疑問 (角川oneテーマ21)
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2012年06月30日

7月13日に勉強会「フリーランスのための『会社の作り方』」を開催します

7月13日(金曜日)に池袋で勉強会を開催します。前回は「資産運用」がテーマでしたが、今回は「会社の作り方」です。申し込みはこちらのページからお願いいたします(http://kokucheese.com/event/index/41746/)。

フリーランスとして仕事をしていると「個人事業主? 会社にした方がトクだよ」と言われることがありますよね。私も「会社にした方が税金が安くなるらしい」という漠然とした認識はありましたが、どれくらい安くなるのか知らないし、具体的に何をどうすればいいのか見当もつかない。

私が会社を作ったのは4年前のことです。ファイナンシャルプランナーとして勉強をするうちに個人事業主から会社に切り替えることの利点が分かってきました。「これだったら一日も早く会社に切り替えないと損かもしれない」と考え、それから半月のうちに「株式会社」を作りました。

今回の勉強会のテーマは、「フリーランスのための『会社の作り方』」です。会社を作ると言っても人を雇って事業を拡大していくのが目的ではなく、フリーランスが「会社」というシステムを利用して節税したり、社会保障を手厚くする方法について紹介します。

前半では「会社を作ることの意味」を考えます。「なぜ会社にすると税金が安くなるのか」「他に会社を作ることにどんなメリットがあるのか」「反対に会社にすることで何か問題が起きないか」といった点を考えていきます。

勉強会の後半では「株式会社の作り方」として、私が会社を作ったときの体験談をお話ししたいと思います。「どんな書類を作って、どんな手続きが必要か」「お金がどれくらいかかるのか」「資本金はいくら準備すればいいか」といった点を具体的に紹介します。

「会社を作る」と聞けば、すごく手間とお金がかかるイメージがありますね。しかし、実際にやってみて分かったのですが、素人の私でも独力で手続きができるほど会社作りは簡単でした。会社設立の費用も20万円程度。その気になれば誰でも半月後には「社長」になれるのです。

2005年に新しい会社法ができ、会社作りのハードルはぐんと下がっています。かつては株式会社を作るには1000万円以上の資本金が必要でしたが、今では資本金が1円でも大丈夫。また、以前は何人もの取締役や監査役を立てないと会社を作れなかったのが、今では社長一人でも株式会社はできます。

金曜日の夜なので終了後は懇親会も予定しています。懇親会のみの参加も歓迎です。申し込みページのメッセージ欄に「懇親会のみ」とご記入ください。

日時 2012年7月13日(金) 午後7時~8時30分
場所 豊島区立 勤労福祉会館 5階 第1和室
http://www.toshima-mirai.jp/center/e_kinrou/
参加費 200円(会場費と資料費です)
申し込み こちらのページからお願いいたします
http://kokucheese.com/event/index/41746/