2011年01月02日
ファイナンシャルプランナーとして正社員でないひとのライフプランを考えたい
ファイナンシャルプランナーとしてこれからやりたいのが、正規雇用でない人のライフプランやマネープランを考えることです。書店に行くと資産運用や生活設計についていろんな本が売っていますが、その多くが「正社員として働き、30代で子どもを生み、定年までに住宅ローンを返済して、60歳からは悠々自適の生活をおくる」というシナリオにもとづいたもの。でも、そんな一昔前のホームドラマの中にあるような人生を、現在の日本でどれくらいの人がおくれるのか疑問です。
また、マネープランを考えたり、生命保険の必要保障額を算出するときなど、キャッシュフロー表というのを作ります。毎年の収入と支出を書き出していき、将来の貯蓄残高がマイナスにならないかをシミュレーションするというもの。キャッシュフロー表を自動で作成するソフトもありますが、その前提として生活費や給与収入が毎年何%かずつ上がっていくようにして計算しています。そんな非現実的な前提で、30歳の人なら40年から50年先までシミュレーションする。
皆さんもご存じの通り、ここ10年ほど物価はほとんど上がっていないし、給料もずっと上がり続ける保障なんてどこにもありません。ましてや正社員でない人(非正規雇用だったり、自営業やフリーランスで働いている人)は来年の収入がどうなるかを予測するのも難しいはず。私も10年以上フリーの立場で働いていますが、収入が多い年と少ない年を比較すると2~3倍もの差があったりします。
もちろんキャッシュフロー表を作る意味がまったくないわけではなく、予測が不確かであっても、具体的な数字を見ることによって、そこに何らかの発見や気付きがあります。また、漠然とした不安を数値化することによって、実は根拠のない不安におびえていただけだったことに気付くかもしれません(反対に根拠のない楽観を持っていたことが明らかになるかも)。ライフプランやマネープランの本についても、やはり正社員で子どもやマイホームを持っている人の割合が大きいため、そこをターゲットにした本が多くなるのも当然でしょう。
最終的には個別の事情をききながらライフプランを考えていくしかないのですが、正社員でない人にも通用するような、ある程度一般化されたライフプランというものを作れないものかと考えています。具体的には厚生年金や企業年金を受け取ることができず、しかも国民年金の満額受給もできない人がどのように将来の生活を設計していけばいいのか。私自身もずっとフリーの立場で働いてきて、将来に対して少なからず不安を持っています。
今年はこの問題をひとつの課題として考えていきたいと思っています。
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この記事へのコメント
数ヶ月前に話していたことを、実現に向けて、どんどん形にしていかれていることに、感動しています。素晴らしいですね!応援してます。
今後とも、いろんなメッセージを発信し続けて、私達にも刺激を与えてください。
ブログも、読ませていただきます。
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