フリーランスにとって領収書は金券のようなもの。経費が増えると税金がこんなに安くなるフリーランスと会社員とどっちが恵まれている?

2013年01月15日

フリーランスが持つ将来への不安は、制度を知ることで軽減される

会社員に比べるとフリーランスとはきわめて不安定な存在で、病気やケガで働けなくなった瞬間に収入は途絶えるし、たとえ健康であっても将来にわたって安定して収入を得られるか分からない。さらに子どもの教育費だとか親の介護といった問題も出てくると大変です。まだ若くて勢いがあるときはいいけれど、ある程度の年齢になると不安が加速度的に増していくことが多いように思います。

でも、さまざまな問題をすべて自分で対処しなければならないと考えるから不安になるのであって、実はしなくてもいい心配をしていることもあります。人生のさまざまなリスクに対して、国や自治体などが支援制度を設けていますし、公的な制度だけで不十分なところは、保険や共済に加入することで備えることもできます。こうした制度を知るだけでも不安が半減するかもしれません。

たとえば、病気やケガで長期入院することになったらどうなるか。日本には「高額療養費」というありがたい制度がありまして、高度な医療を受けたり、入院が長期化したとしても医療費は意外に安くすみます(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/)。

脳梗塞などで何年も働けなくなったらどうなるか。動けないほど症状がひどいなら「障害年金」が出る可能性が高いので収入がゼロになるわけではありません(http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=3225)。また、働けない間は毎月定額の保険金がもらえる「所得補償保険」という保険もあります(http://www.firstplace.co.jp/ltd/)。

老後の生活が心配なのであれば、「確定拠出年金」(http://www.npfa.or.jp/401K/)や「小規模企業共済」(http://www.smrj.go.jp/skyosai/)などの制度を活用しましょう。銀行よりもずっと有利な条件で老後資金を積み立てられます。

しかし、フリーランスにとってもっとも大事なのは人的ネットワークかもしれません。やはりいざというときは家族や親戚、友人、仕事仲間などが頼りになります。すべてを一人でかかえこもうとせず、困ったときは互いに支え合えるような関係をきずいておくことが安心につながるはず。もちろん自分ですべき備えをした上での話ですけどね。

人生のリスクへの対処方法については、橘木俊詔氏の「安心の経済学」という本がおすすめです。誕生から引退後まで各ライフステージにおいてどんなリスクがあり、そのリスクに備えるために国や企業などがどういう仕組みを提供し、個人や家族はどう対処すればいいのかを網羅的に紹介しています。ノウハウ本ではないので実生活ですぐ役に立つものではありませんが、「安心とは何か」を考えるきっかけになると思います。


安心の経済学―ライフサイクルのリスクにどう対処するか 安心の経済学―ライフサイクルのリスクにどう対処するか
橘木 俊詔

岩波書店 2002-03-14 


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