フリーランスと会社員とどっちが恵まれている?確定申告シーズンの今からできる節税テクニック

2013年02月18日

フリーランスが将来に備えて資産運用するためのベストな方法とは

フリーランスが老後の備えをするための制度として「国民年金基金」「確定拠出年金」「小規模企業共済」の3つがあります(http://moneylab.ldblog.jp/archives/51644885.html)。この3つにバランス良く加入するのがおすすめだとこれまでも紹介してきましたが、今まで何もしてこなかった人にとってはハードルが高いようです。

もし老後への備えとして何か一つ始めるとすれば、それは「確定拠出年金」だと思います。確定拠出年金とは、毎月一定額の掛金を支払い、それで自分の好きな金融商品を購入するもの(投信の他、定期預金、年金保険なども選べる)。フリーランスの場合、月6万8000円まで積み立てができます。そして、毎月支払う掛金で金融商品を買い増していき、60歳を過ぎてから老後の資金として引き出すことができます。制度を利用するメリットについては、「フリーランスなら投資信託を2割引で買える超おトクなシステムを利用できる」(http://moneylab.ldblog.jp/archives/51825512.html)もご覧ください。

国民年金基金と小規模企業共済の2つの弱点

国民年金基金と小規模企業共済の弱点は、老後に受け取れる額が固定されているところです。今のデフレが続くならいいんですが、将来的にインフレで物価が上がるなら老後にもらえる額の実質価値が小さくなってしまいます。特に20代や30代ならリタイアするのは何十年も先のことで、そのときの物価が現在の2倍や3倍になっている可能性も十分にあるわけです。その点、確定拠出年金なら運用のしかたによっては物価上昇率以上に受取額を増やしていくことが可能です。

もうひとつ、国民年金基金と小規模企業共済には弱点がありまして、制度が破綻するリスクがゼロではないというところです。どちらの制度も、加入者から集めた掛け金を運用して積み立てておき、加入者のリタイア後に支払うという仕組みになっています。ところが現在、どちらも運用成績がぱっとせずに積立金が不足している状態です。このまま運用がうまく行かない状態が続けば制度が破綻して、期待していた額がもらえないという可能性もあります。

その点、確定拠出年金は完全に口座が個人ごとに分かれているので、制度が破綻するという心配はありません。その代わりに運用成績については加入者が責任を持つ必要があり、運用に失敗すると払い込んだ掛け金を下回る額しか受け取れないこともあります。私が3つの制度にバランス良く加入することをおすすめしているのも、それぞれに長所と短所があり、3つを組み合わせることでリスクを最小化することができると考えるためです。

確定拠出年金は使わないのはソンな制度

どれか一つ選ぶとすれば「確定拠出年金」だと私は思うわけですが、実は3つの制度の中では加入するのがもっとも面倒です。確定拠出年金は証券会社や銀行、保険会社などが窓口となっていて、まずはどの金融機関で加入するかを決めなければなりません。そして、掛金をどのように運用するかを加入時に決める必要もあります。

そういうわけで、昨年に「確定拠出年金の始め方」という勉強会(http://moneylab.ldblog.jp/archives/51846130.html)を開催しましたけど、私の説明の仕方も悪かったのか、せっかく参加いただいたのにまだ加入に至らない方もいらっしゃいます。

確定拠出年金はフリーランスや自営業者にとって、きわめて有利な制度なので利用しないでおくのはもったいない。運用方法を決めることができないなら、とりあえず定期預金にしておいてもかまいません。確定拠出年金の掛金で積立定期預金をするということは、所得税&住民税の税率が20%の場合、月4万円の負担で月5万円の積立ができるということになります(5万円の掛金の20%にあたる1万円分だけ税金が安くなるため、毎月5万円の積み立てをする場合は実質負担が4万円ですみます)。

長期的には投資信託に切り替えた方がインフレリスクにも対処できるのでオススメではあります。しかし、「元本割れの可能性がある投資信託にどうしても抵抗がある」「どれを選べば良いのかよく分からない」という場合、まずは定期預金で確定拠出年金を始めてもいいでしょう。普通に銀行に積み立てるよりもずっと有利です(ただし、60歳を過ぎるまで引き出しはできません)。

確定拠出年金についてもっと詳しく知りたい方は、以下の本がおすすめです。あやしげなタイトルの本ですが、中身はごく真面目な確定拠出年金の入門書です。また、日程は決まっていませんが、「確定拠出年金の始め方」の勉強会もまたやりたいと思っています。

 

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