2013年02月25日
老後の備えで国民年金基金だけに頼るのは危険!
近ごろはフリーランスの方に会うたびに「確定拠出年金」(以下、DC)をおすすめしています。あいさつ代わりに「老後の備えに何かしてらっしゃいます?」と質問するのですが、「国民年金基金」(以下、基金)をやっている方はたまにいらっしゃいますが、DCをやっている方はほとんどいません。
でも、基金だけだとちょっとリスクがあります。毎年秋にニュースになるのですが、基金は運用難で積み立て不足が1兆円を超えています(http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC23017_T21C12A0EE8000/)。加入者から集めた掛金を運用して将来の支払いにあてるわけなんですけど、低金利や株価低迷で運用がうまくいかず、本来持つべき積立金から35%も不足しています。運用状況について詳しくはこちらのページで(http://www.npfa.or.jp/jigyo/finance/)。
すぐに破綻することはなくても、10年後、20年後はどうなるか分からない。現在のままデフレが継続するとまずいでしょうね。積み立て不足を解消できず、どこかで破綻するでしょう。掛金が丸々ムダになることはないでしょうが、将来にもらえる額が減る可能性があります。反対にインフレになれば金利や株価も上がるでしょうから積み立て不足は解消するはずですが、そうすると将来に受け取る年金の実質的な価値が減ってしまいます。どちらに転んでも明るい未来がのぞめない。物価が上がらずに株価だけ上がれば最高なんですけど…。
だから、老後の備えを基金だけに頼るのは危険です。小規模企業共済や確定拠出年金(DC)もあわせて加入することをおすすめします。もし基金がこけても被害を最小限におさえることができます。こちらの記事でも書きましたが、DCは口座が個人別に分かれているので制度の破綻を心配する必要がありません(http://moneylab.ldblog.jp/archives/51870361.html)。資産運用で分散が大事なのと同じで、性格が違う複数の制度を利用することでリスクをおさえることができます。
ならば、基金なんてやめてしまった方がいいのか。原則として基金は途中でやめることができず、口数を減らすしかないというのが建前です。それに基金は65歳になって受け取りが始まると、一生涯、死ぬまで受け取ることができるんですよね。これが他の制度にはないメリットです。月6万8000円の上限いっぱいまで基金に加入しているなら、その口数を少し減らしてDCに振り向けた方がいいと思います(そもそも、掛金には「基金とDCを合計して月6万8000円」という制限があり、基金に上限まで入っている場合、DCに加入するなら基金の口数を減らさなければなりません)。
これから加入する人は、まずDCに入る。そして、余裕があるなら(および小規模企業共済)にも入るというかんじでしょうか。その場合でも基金を中心に構成するのでなく、DCをメインに考えた方がいいと思います。 DCへの加入を考えている方はこちらの本が参考になります。
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